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斎藤工、「出会うべくして出会った」世界的な映画監督との仕事

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 日本人にとって、旅行先としても移住先としても人気の高いシンガポール。まもなく公開となる『家族のレシピ』は、日本とシンガポールの外交関係樹立50周年を記念して製作された話題作です。

斎藤工×エリック・クー

斎藤工さん×エリック・クー監督

 シンガポール・日本・フランスの合作となる本作で主演を務めたのは、俳優、映画監督、白黒写真家など、さまざまな肩書きを持つ斎藤工さん。言語や国境を超えて、家族の絆を追い求める主人公の真人を演じています。

 そして、メガホンを取ったのは、国際的に高い評価を得ているシンガポールの巨匠エリック・クー監督。クリエイターとして第一線を走り続ける2人の見事な“化学反応”が堪能できる作品となっていますが、今回は現場での秘話や家族のような存在となったお互いのことについて語ってもらいました。

キャスティングの理由「この人しかいない!」

――まずは、本作に斎藤さんをキャスティングした決め手を教えてください。

エリック・クー(以下、クー監督):スカイプで15分ほどいろいろと話をしたとき、工の持っている繊細さに心を打たれて「この人しかいない!」と思ったんだ。

 あとは、言語の違いがあると細かいニュアンスが落ちてしまうことも多いけれど、彼なら言葉の壁を越えてきちんと伝えてくれるだろうと信頼することができたから。実際、ほとんどが最初のテイクだけでオッケーだったから撮影はスムーズだったし、僕の監督としての仕事もとても楽だったよ。

――斎藤さんは、エリック・クー監督にはどのような印象を持たれていましたか?

斎藤工(以下、斎藤):僕が初めて観たエリックの作品は『TATSUMI マンガに革命を起こした男』。そのあと、エリックが来日したときに別所哲也さんから紹介していただきましたが、すれ違うように出会ったというくらいだったんです。

 ただ、シンガポールだけでなく、世界を舞台に戦うエリックの映画人としての姿勢を僕は尊敬していたので、彼が日本人キャストを探していると聞いたときは、「何が何でも出たい!」と思いました。

偶然ではなく、必然的に出会った

家族のレシピ

『家族のレシピ』

――その後、実際に現場をともにされてみていかがでしたか?

斎藤:いま振り返ってみると、エリックとのコミュニケーションというのは言葉を超えているようでした。テレパシーのようでもあり、言葉はそれを補うためにあるだけ、という関係だったので、エリックと自分は根幹の部分で繋がっていたのかもしれないです。

 まさに、「人と人との繋がりとは何か」ということを知る劇中の真人と同じような感覚だったと思います。エリックは、出会うべくして出会った家族のような人。偶然ではなく、すべてが必然で繋がって奇跡になったと感じています。

クー監督:確かに、導かれるままに出会ったなと僕も思っているよ。

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