リクルートOBがスナックを開業「ゆるい人脈でビジネスに繋がる」
往年のスナックファンで2014年に全日本スナック連盟を設立した芸人・玉袋筋太郎氏の活躍などが契機となり、近年、若者や女性の間でスナックがちょっとしたブーム。
そのどこか廃れた昭和なイメージの響きとは対照的に、今や女性誌や若者向け雑誌で、スナックの特集が組まれるほどだ。
今回は経営コンサルタントでありながら、銀座のスナック「2121」のオーナーとしての顔も持つ堀内一人氏に、若者たちを惹きつけるスナックの魅力を伝授してもらった。
スナックは飲食店の中でも素人が参入しやすい業態
堀内氏はリクルートでの20年間の会社員時代を経て、8年前に独立。女性の起業支援・就労支援をテーマに企業や個人向けのコンサルティングを本業で行う一方、昨年3月にスナックをオープンした。
「『働きたいけど年齢的な制約で仕事がない』という女性などを対象にしたコーチングを長年やってきました。そんななか、子供が大きくなって余裕ができ、自分の収入源を確保したいという40~50代の専業主婦の方と知り合うことも多いんです。
スナックを開業したのは、接客の仕事がそうした仕事の経験値が浅い女性にも人気で、私も本業と違うかたちで彼女たちに何か価値提供したいと考えていたのがきっかけです」
もともと、ワインエキスパートなどの資格を取るほどのお酒好きとはいえ、長年経営コンサルタントとしてビジネスの第一線で活躍してきた堀内氏が、スナックという業態を選んだのは少し意外な感じもするが……本人は「スナックは飲食店経営の素人でも参入しやすいんです」と笑う。
スナック事業が素人でも参入しやすい理由
「スナックは初期投資が少なく済むうえ、食材などの在庫を抱える必要がないため、ランニングコストを低く抑えられます。特別高価なお酒を仕入れる必要もなく、普通のお酒をそこそこの値段で売れる。
しかも、スナックの中にはお客さんが手伝うお店なんかもありますが、そういう意味ではファンが参加してアイドルを育てるのと一緒。場の提供さえすれば、自由に歌って飲んで楽しんでもらいやすいんです」
その名はスナック菓子に由来するという説もあるほど、基本的にお店で料理を調理しないのがスナックの特徴のひとつ。一般的な飲食店の原価率が30~40%とされるなか、大掛かりな厨房施設が不要なスナックの原価率は10%以下の場合もあるという。
当初は女性向けスナックとして開業した「2121」だが、現在は男性単独でも入店可能。不定期でビジネス講座も開催する。