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アカデミー賞を2度受賞した名優が、仕事選びで大事にしていること

暮らし

 ハリウッド屈指のヒットメーカーと言われる巨匠ジェームズ・キャメロンが構想に20年以上を費やし、新たに製作・脚本を手掛けた『アリータ:バトル・エンジェル』。

アリータ:バトル・エンジェル

 木城ゆきとのSFコミック『銃夢』の実写版となる本作では、圧倒的な映像が繰り広げられており、すでに『アバター』超えの声も上がっているほどです。

 さらに実力派のキャストが集結していることでも話題となっていますが、なかでもサイボーグの少女アリータを蘇らせたサイバー医師のイドを演じているのは、アカデミー賞で助演男優賞に2度も輝いたことのある名優クリストフ・ヴァルツ。

 今回は初来日をはたした貴重な機会に、仕事選びで大事にしていることや日本の若者に伝えたい思いを語ってもらいました。

クリストフ

監督との関係は結婚生活のようなもの

――監督を務めたのは、『シン・シティ』などで高く評価されているロバート・ロドリゲス監督でしたが、一緒に仕事されてみてどのような印象でしたか?

クリストフ・ヴァルツ(以下、クリストフ):どんな監督でも実際に仕事してみないとわからないもので、それは結婚生活と一緒。

 なぜなら、結婚生活も結婚するまでどういうものかわからないし、最初はいろいろと慎重になるものだよね(笑)。でも、ロドリゲス監督は協調することに長けていて、非常にオープンな人だから、協力体制としても、すごく理想的な形だったと思うよ。

――結婚生活のようなものと例えられていますが、普段から現場で監督との関係において意識していることはありますか?

クリストフ:わからないからこそ、まずはこちらが監督を信頼するしかない。でも、それは監督側も同じで、俳優を信用するしかないんだよね。

 お互いにリスクを背負っているわけだから、なるべく拮抗せずに協力するようにも心がけているよ。対立関係に陥ってしまうと、自分が守りに入ってしまうところもあるからね。

 そのうえで、そこから自分は経験として何を吸収することができるのか、俳優としてどういう行動を取るべきか、さらにそれらを自分の演じる役にどうもたらすことができるのか、ということを考えて監督との関係を築いていくものなんだ。

 もちろん、過去にはうまくいかなかったこともあったけど、ロドリゲス監督に関しては、僕たち俳優の仕事に敬意を表してくれて、いろんな配慮もしてくれたので、僕もオープンな形で役に臨むことができたよ。

僕たちの世界や生活を語るような内容は惹かれる

アリータ:バトル・エンジェル

――これまで悪役のイメージが強くあったと思いますが、本作ではそれとはまた違う役を演じられています。幅広い役を演じているクリストフさんにとって、役選びの基準はどんなことですか?

クリストフ:まずはいいストーリーであることと、いいキャラクターであることの2つ。とはいえ、通常は実際に脚本や内容を読む前に、作品に関わっている人たちと会うことが多いから、その人たちが何を伝えたいのかということも聞くようにしているよ。だから、決して宇宙科学のような複雑なことではないんだ(笑)。

 それから、物語が伝える中身が信用できるかも大事なところだけど、内容が意義のあることなのか、適切なものなのかどうか、そしてなぜいまこれを伝えるべきなのか、というのも考えるようにしているんだ。やっぱり、いまの僕たちの世界や生活を語るような内容は惹かれるものがあるよね。

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