ブラックインターンの「華やかな求人募集」にご用心。使い捨てられる前に…
上司の“ある一言”で正体発覚
早川さんは次第に焦っていきますが、「ベンチャー企業のインターンは学びの場だ」という気持ちで踏みとどまれました。ところが上司の“ある一言”で正体が発覚します。
「月始めのお昼の時間に、みんなで社員の誕生日をお祝いするのですが、終わってから、ある上司が『こんな誕生会するなら残業代出せよ』と、ぼそっとつぶやいたんです」
インターンだけでなく、正社員もサービス残業を強いられていた。それを知って、早川さんはびっくりしたそうです。
「思わずその上司に声をかけたところ、社員の定着率も悪く、インターン生も使い捨てるブラック企業であることが判明したんです。そのうち、学生のぼくにもプロのライターと同様、難しい原稿を要求してきました」
しばらくは「テストがあるから」「成人式の準備で地元に帰省しなければならない」などの理由で逃げていました。そのうち、連絡が来なくなり、ほっとしたそうです。
肩書きにつられた自分を後悔する日々
「コンサルティングと聞くと華やかですが、インターンは全員ライティングしかしていなかったです。報酬アップもどうやら嘘みたいでした。
一応、あとで残業代を請求しましたが、いまだにスルーされています。肩書きにつられて、実態を見ていなかった自分の迂闊(うかつ)さを今は後悔しています」
インターンするより「まともな企業でアルバイトをしたかった」と言う、早川さん。現在は一般企業の営業職に従事し、楽しく働いているそうです。
<取材・文/夏目かをる イラスト/Yopsymi(@Yopsymi)>
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