“社会の枠外”に一緒にいける存在は貴重

ダースレイダー：だからもし、この社会の枠の外に一緒に行ける可能性のある人がいるんだとすれば、それは非常に貴重な存在だと思います。そんな人といつ出会えるかは、わからないし。例えその人が誰かと付き合っていようが、結婚していようが、それ自体は単にタイミングの問題で、自分にとって、社会の外側に一緒に行ける人だっていうことであれば、逃せないよね。

　外側に行くってことがどういうことかと言えば、それは今まで守ってくれた人間関係だったりとか、ギブアンドテイクで成立している社会だったり、ある種のルールを守ることで確保されてた安全がすべてなくなってしまうってこと。

　すべてなくなってしまったら、何を頼ればいいかといえば、それはその相手くらいで。そうなってもいいって思えるのか、その相手も自分がいれば大丈夫って思える関係を作れるのか。そこまでの気持ちがあれば、その2人の選択を止めることは誰にもできないよね。

　もし、相談者さんの好きなその子がそういう相手であるなら、友達がたまたまその子と先に出会っちゃったってだけ。それは単に出会った順番の問題であって。

心の交換ができる人と出会えているのか？

ダースレイダー：でも同時にその友人との関係性は、どうなのかと。その友人に対して、何でも打ち明けられて、こいつは本当に俺のことわかってくれてるなと思えているならば、そいつの幸せを何より思うはずで、そうなればそいつの彼女を奪うなんて当然できなくなるわけで。

　要は、自分と相手の関係性の問題だと思う。これは性別とか関係なく、誰であろうと、人間関係を築くうえで、こいつとだったら、警察に怒られようが、親に怒られようが、バイクでどこかに出かけてひたすら遊びたいっていうようなやつだったら、そういった友達はすごくレアな存在だと思うし。

　だから、相談者さんにとって、この問題は、人とどの程度つながっているのかということを考えるチャンスだと思います。自分がどうしたいのか、人とどう付き合っていきたいのか、それを考えるといいと思う。自分はこの世の中をどう生きていきたいのかっていう。

　ある種のルールを全部守って、安全なレールの上で傷つかないように生きていくっていうのもひとつの選択肢だし、「自分は全部を投げ出してもいいんだって思える存在を見つけるために生きてるんです」っていうのであれば、そういう相手を見つけたらチャンスを逃さないようにするべきだし。

　これは恋愛感情の話だけじゃなくて、友情とか、すべての人間関係においての話ね。別にその人と体の関係するとかしないとか、そういうことではなくて、心の交換ができるかできないかって問題で。

　自分は、そんな人と出会えてるのか、今回がそうなのか。相談者さんにとって、そういったレベルで考えていくチャンスでもあると思うんで。