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酒グセ最悪な上司との飲み会。外で全裸になっても許せるか?

学び

「ウイイレで優勝するまで寝るな!」従うべきか?

 部屋に入ると梶山さんは全裸のままフラフラと台所に行き、おつまみを数点出してくれたそうです。

「料理が得意とは聞いていましたが、何せハダカの人に料理をふるまってもらうのは初めてだったので、困惑して美味しかったかどうか覚えていません」

 そして泥酔状態の梶山さんは無茶な命令をして、寝室に行ってしまいます。

「ウイニングイレブンのワールドカップモードで優勝するまでお前は寝るなと。今考えると間抜けな話ですが、体育会系の社風だったこともあり『どうしようかな、本当にやらなきゃいけないのかな』と迷いました」

 時刻は0時を過ぎ、グループリーグでの敗退が続き葛藤する中西さんでしたが、そこにパートの残業を終え帰宅する梶山さんの奥さんが現れました。事情を説明すると、呆れた様子でこう言われたそうです。

思わずグッときた、上司の奥さんの一言

飲み会

「ごめんね、酔っぱらって迷惑かけたみたいで。今日はもう泊まっていっていいから、お風呂でも入って寝ちゃって。中西君のことを息子みたいに思っているのかもしれない。毎日のように『中西はできるヤツだ』って嬉しそうに話してるよ」

 こんな状況にも関わらず、奥さんの言葉に中西さんの心はグッときたようです。

「お酒に呑まれた姿は別にして、仕事の面では尊敬できる上司でしたから、期待されていると間接的に知れて、嬉しかったです。でも今後はアフターファイブでは距離を置いたほうが良いなって思いました。毎度毎度こんな目に合ってたら身が持たないような気がして……」

 その後の関係性はどうなったのでしょう。梶山さんの酒癖は一朝一夕には治らないような気もしますが……。

「飲み会のときは、なるべく梶山さんが飲みすぎなくなるようなストッパー役になってくれる人を呼ぶようにしています。この作戦が功を奏して今のところはこれといったトラブルは起こっていません。ただいつも起こるか戦々恐々としてますね」

― 特集・[飲みハラ]実況中継 Vol.3 ―

<取材・文/蒲須坂正男 イラスト/デザイア恵利>

趣味はラジオを聴きながら散歩すること。ローカルな駅でふらっと降りて、口コミやレビューがない店に入るのが好きです

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