日本の若者が政治に無関心な理由。女性ゼロ議会だらけの”おじさん政界”は異常
若者の政治への無関心が叫ばれて久しい。選挙年齢が18歳以上に引き下げられて初めて行われた昨年10月の衆院選では18~19歳の投票率が40.49%と、戦後2番目に低かった全世代の投票率53.6%をさらに下回る結果でした。
また、総務省の全議会の男女別議員数(2017年12月31日時点)に関するデータによれば、全国に1788ある地方議会のうち、約2割にあたる349の市町村議会が「女性ゼロ議会」状態です。
一方、海の向こうアメリカで今年11月に行われた中間選挙では、野党民主党が下院の過半数を占めました。ABCの出口調査は「期日前投票をした18~29歳の投票数は2014年の前回中間選挙から188%増加した」と報じ、民主党からはアレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏(29)という史上最年少の女性議員が誕生するなど、その原動力は、若者にあったと言われています。
なぜ日本ではここまで政治的無関心が広がってしまったのか。公益財団法人笹川平和財団の堀場明子主任研究員に話を聞きました。
女性の政治参加が進まない理由
堀場さんはアメリカなど海外の事例を学びつつ、女性政治家を増やすため、40歳以下の女性(高校生・大学生からシングルマザーなど)を対象にした「女性の政治リーダーシップトレーニング合宿」を実施しました。
「女性政治家が1人もいない“女性ゼロ議会”は地方議会に、とりわけ関西以西から九州にかけて多いです。仮に女性政治家がいたとしても、組織力がある共産党や公明党、地方の市民政党がほとんどで、自民党所属の女性地方議員はごく少数です」
政治における男女格差は世界的な課題であり、アメリカでも女性政治家は2割程度。イタリアやドイツなどは、一定割合の候補者や議席数を女性に割り当てる「クオーター制」を義務付け、格差是正に動き出しています。
「欧米諸国の一部でもそうですが、日本にも政治は男性がするものというステレオタイプな考えがまだまだ根強いです。右派・保守勢力が世界各地で台頭するなかで、どうしても国民は男性のリーダーシップや強さを求めてしまう。女性政治家の数は世界的にも減少傾向にあります。
日本の若者のなかには、日本は先進国だから女性の社会進出も進んでいるイメージを持っている人もいるかもしれませんが、昨年の世界経済フォーラムで発表された『ジェンダーギャップ指数』では、日本の順位は144か国、114か国。とりわけ政治と経済の分野で男女格差が大きいことが明らかになっています」