アメリカ中間選挙、民主党が下院で勝利。現地では何が起きていたのか?
4年ごとの大統領選挙の中間の年に実施され、アメリカ国民が大統領を支える与党に評価を下す「アメリカ中間選挙」。
2年後の大統領選挙の明暗を分ける今回の重要な選挙で、トランプ大統領率いる共和党は上院で勝利したものの、下院で民主党に敗北しました。
この結果は世界情勢に多大な影響を及ぼすため、アメリカのみならず世界各国が注目しています。
中間選挙では与党が議席を減らすことが多い
「分断」が浮き彫りになった今回の選挙ですが、その一方で女性の立候補が過去最多となっていることも話題でした。
カンザス州では、先住民女性で民主党のシャリス・デイビッズ候補が見事当選し、ミシガン州とミネソタ州でムスリム女性の下院議員が当選するなど、排外主義が蔓延する中で、それに抵抗する人々たちも現れ始めました。
アメリカ大手通信社「ブルームバーグ」は今回の選挙結果を受けて、「民主党の下院掌握を支えたのはトランプ大統領の威圧的な言動に反発する女性と、比較的高収入で教育水準の高い都市郊外の住民だった」と分析しています。
また、「トランプ大統領はこれまでのように上下両院の後押しを受けて自身の政策課題を推し進めることはできなくなる」ともしています。ただ、中間選挙では、大統領の与党が議席を減らすことが少なくない傾向にあります。
近年では、大統領の与党が両院で議席を増やした中間選挙は、2002年のブッシュ大統領の時のみでした。
2億人の有権者データを保持する共和党のSNS戦略団体
11月5、6日放送の『クローズアップ現代+』(NHK)では「シリーズ アメリカ中間選挙」と題して、アメリカで起こっている現状が紹介されました。
NHKは、共和党のSNS戦略を担っている「ルック・アヘッド・アメリカ」に取材しました。
この団体では、全米15の州にスタッフを配置して有権者を調査し、SNSに向けた広告を制作しています。彼らは、行政の公開情報やデータ会社から購入した情報など、有権者1億8000万人分の個人情報を使って、有権者に最も影響のあるSNS広告を制作しています。