人気芸人・三四郎の2人が考える「10年後、20年後の芸人像」憧れる先輩は…
滑舌の悪い小宮浩信(35歳)と美声で独特なボケを繰り出す相田周二(35歳)からなるお笑いコンビ・三四郎。
芸歴13年目を迎え、いまやテレビやラジオに引っ張りだこの2人に、前回に続き下積み時代の挫折、そこから這い上がる処世術、そして10年後・20年後の三四郎について語ってもらいました。
芸人になった今、無駄だったと思うことはない
――お笑いに限らず、今までの人生のなかで「やっておいてよかったな」と思うことはありますか?
相田周二(以下、相田):僕ら、高校のときにグランドホッケーっていう、ものすごいマイナースポーツをやっていたんですよね。2020年の東京オリンピックで正式種目になるみたいな話も出ているんですけど、芸能界でこのスポーツをやってた人って、僕らが知っている中でもロッチの中岡さんくらい。
日本は今女子が結構強くて、さくらジャパンって呼ばれて注目され始めているスポーツなので、もしオリンピックでやることになったら絶対僕らかロッチさんに声がかかるだろうなと。直接的に仕事につながりそうという意味で、やっておいてよかったなと思っています。
小宮浩信(以下、小宮):やっておいてよかったこと……、うーん、全部ですかね。特殊な成城学園っていう学校に通っていたこともそうだし、僕に関しては高校で留年したことも今となっては良かったと思ってます。この世界って、どんな辛い経験でも、例えば『さんま御殿』で喋ったりするとさんまさんが笑ってくれて、全部昇華されるんですよね。その時はしんどかったけど、芸人になった今、無駄だったなと思うことはないですね。
――逆に「やっておけばよかったな」ということは?
小宮:僕は中学受験をしたんですけど、小学4年生の頃からみんなが放課後に校庭でサッカーとかして遊んでいるなか、親が車で迎えにきて塾に行くという生活をしていて。それに関しては辛かったけどやっておいて良かったと思っているけど、中学に入ってからは反動でまったく勉強しなくなったんです。
今思えば、英語とかはもっと勉強しておけばよかったなと思いますね。言葉のボキャブラリーとしてお笑いに活かせるのであれば。あとは、バックパッカーみたいなことをしてみたかったかな。今はロケで海外に行くことはありますけど、やっぱり衝撃的なんですよね。ベタですけど、インドとか行ったらすごい世界が広がるんで。
相田:僕はもうちょっと大学に行っておけば良かったですね。大学に入って2年目くらいで養成所に入って並行してたんですけど、どうしても大学より養成所のほうが楽しくて。小宮もいるし、他の芸人仲間もいますし。よく集まるのもそこらへんの仲間だったので、もう少しキャンパスライフを満喫しておけばよかったですね。
なんか、勝手に「サークルとか、ダセェ」って強がってたんで。今となってはサークル合宿とか行ってみたかったですね。楽しくないにしろ、1回行ってみてもよかったかなって。今から僕がサークル合宿に飛び込むのは無理なんでね。
ナレーターの仕事は「三四郎・相田っぽくならないように」
――相田さんは最近ナレーターとしても活動の幅を広げていますよね。ナレーションを読む上で気をつけていることはありますか?
相田:“僕っぽくない声”っていうのを心がけていますね。ナレーションを聞いていて僕の顔が浮かばないような声というか。まあ、三四郎・相田の声って言われてもほとんどの人がピンとこないと思うんですけど(笑)。尺の関係もあるので台本通りに読むようにしていますが、テレ東の『勇者ああああ』って番組のナレーション原稿は少し人をくさすような、毒のあるところがあるので読んでいて楽しいですね。
――小宮さんは芸人以外でやってみたいことはありますか?
小宮:何度かドラマに出させてもらったことがあるんですけど、なんかすっごい辛かったんですよね。同じようなシーンを何度も撮ったりするんですよ。それが現場の人に面白くないなと思われてるんじゃないかって心配になっちゃって。
いや、それでいいんだろうけど、役者はもういいかなって思ってます。舞台の脚本とかは興味ありますね。自分の書いた台本を他の人に演じてみてもらいたいというか。