思い通りにならない世の中で「成功する人」と「成功しない人」の違いとは
仕事をしていると、誰でもつまずくことのひとつやふたつあるものですが、有名な経営者や芸能人といったいわゆる「成功者」はどうやってそれらの危機を乗り越えたのか、誰でも気になるところではないでしょうか。
フリーランスのライターとして雑誌や書籍、ウェブメディアなどで幅広く執筆やインタビューを手がけている上阪徹さん。これまでに取材した人数は3000人を超え、携わった書籍の発行部数は累計200万部を超えています。2022年8月には『成功者3000人の言葉 読めば今日から人生が好転する! 一流の思考法』(三笠書房《知的生きかた文庫》)を出版しました。
前編では、上阪徹さんのこれまでの人生から成功への「ヒント」となる話を聞きました。この後編では、20代の読者に向けて、毎日を有意義に過ごしていくための「ヒント」を聞いていきます。
【インタビュー前編】⇒「成功者3000人」に取材したブックライターから聞く、成功へのヒント
社会人の努力が必ず実るとは限らない
――今回の本の中で、20代に向けてお勧めの言葉を選ぶとしたらどれでしょうか?
上阪徹(以下、上阪):『「思い通りにならない」を楽しむ』という言葉ですね。実際、人生って思い通りにならないんです(笑)。個人的な印象ですけど、若い人はなんだか功を焦っているというか、生き急いでいる人が多いような気がするんです。考えてみると、かつての私自身もそうだったわけですが。
早く何か成果が欲しいとか、すぐに心地よさを手に入れたいとか。便利で豊かな世の中ですからね。とりわけ大学までは頑張って勉強をしたら結果が出たりするものですけど、社会人になったら努力が必ず実るとは限らない。自分の思い通りには、絶対にならないと思ったほうがいいです。
問われるのは、そんなときにどうするか、なんです。思い通りにならないからといって自暴自棄になるか、それとも現状を受け止めて踏ん張るか。実は心の持ちようなんです。どんなに成功している人も、お金持ちも、詳しく話を聞くと人生思い通りになんていっていないです。俳優だってスポーツ選手だって、下積みを積んで凸凹な人生を歩んでいる人が多い。
最初から思い通りにならないほうがいい
上阪:でも、下積みが長い人のほうが業界で長生きできるのかもしれないですね。人はあっという間に勘違いするし、有頂天になる。最初から思い通りにいくと思ってしまう人は、すぐに散ってしまう可能性が高い。
そう考えると、思い通りではない人生も、そう悪くないんです。そういう人生も楽しんじゃったほうがいい。私がまさにそうでしたが、思ってもみない未来が待っているかもしれない。思い通りにならない、ということも後の自分の大きな糧になっていくことを知っていてほしいなと思います。
あと、絶対にやってはいけないのは、「とりあえず企業に入ったら安定・平穏」と考えてしまうことですね。世の中には絶対はないんですよ。何が起こるか、わからない。だから、自分を成長させておかないといけないし、準備をしておかないといけない。大事なことは、何があっても生きていける力を身につけておくことです。そもそも未来は誰にも分からないんです。それを前提に、生きていくことが大切です。