外資系コンサルから「長身女性アパレル」で起業した女性社長。きっかけは“敗北感”
ファッションブランドで当たり前のように設定されている「標準サイズ」。そんな標準サイズから外れてしまった人にとって、ぴったりとくる服に出会うことは至難の業だ。
低身長女性向けの「COHINA」や小柄男性用のメンズブランド「Retropics.」など、それぞれの体型に合わせたアパレルブランドが増えつつある昨今、高身長女性向けアパレルブランド「ATEYAKA」が注目を浴びている。ブランドを立ち上げたのは、自身も180cmという大倉加奈子さん(@kanako_08)だ。
紆余曲折を経て長らくコンプレックスだった部分を昇華させるブランドを立ち上げた大倉さんに話を聞いた。
宇宙に夢中だった学生時代
現在はファッション業界に身を置く大倉さんだが、学生時代は服飾とは無関係な「物理学」の分野を学んでいた。
「高校の頃は、ブラックホールや宇宙が気になって仕方なく、『私はどこから来たんだろう』や『ブラックホールはどうなってるんだろう』ということばかり考えていました。それに、当時は今ほど気軽に起業や副業をできなかった時代なので、大学を出たら大きな会社に入り勤めあげるのが主流だと思っていて、起業なんて夢にも思いませんでした」
職種を選べない日本の就活事情
今では毎日のように向き合っているファッションやヘアメイク。しかし、当時は苦手意識があったという。
「今考えれば当たり前なんですが、世間で流通している160cm向けの服を、180cmの私が着てフィットするわけがないんです。着丈はもちろん肩幅やウェストなど位置が合わず、どうしてもおかしな着こなしになってしまう。でも今思えば、本当はおしゃれに興味があったけど見ないようにしていたのかなって」
宇宙について考え続け、ファッションや起業から遠い日々を過ごした学生時代。日本の就職活動では会社を選ぶスタイルが主流で、職種を選べないことがほとんど。そんな限られた選択肢の中でキャリアを決めるのに抵抗感があったため、大学院を卒業したあとはさまざまな業界をスピーディーに学べるコンサルティング会社に就職を決めた。