「昼は不動産マン」歌舞伎町の“二刀流ホスト”に聞く、昼夜のギャップ
さまざまなバックグラウンドを持つ人間が一堂に会する“眠らない街”新宿・歌舞伎町。パラレルキャリアという概念も当然のように例外ではないのだ。
今回取材したOZONE -player’s club-に所属する「俺・めろん」 さん(@Oremeronn)もそのうちの1人。昼は不動産会社の社員、夜はホストという2つの顔を持っているという。なぜ彼が二足のわらじ生活を続けるのか、そこに至った経緯と今後の展望を聞いた。
ボーイなのに名古屋で140万円売り上げた
ホストを始めたのは20歳の頃だったという。
「当時、名古屋のキャバクラで働いていました。ボーイって昇格していくにつれ、『こういうふうにLINEをしてお客様を呼ぼうよ』とアドバイスしたりと、女の子の教育も担当するんですよね。
そんななか、ボーイながら、自分の誕生日に140万円ほどの売上を作ったことがありました。キャバクラはあくまでも女の子が主役のお店ですから、ボーイがまとまった売上を作ることは珍しかったみたいです。当時仲良くしていた先輩から『ホスト向いてるんじゃない?』と何気なく言われたことがきっかけかもしれません」
「言われたことを鵜呑みにする性格」と、自身について話すめろんさんは、「鉄は熱いうちに叩け」とばかりに、1週間後にはホストクラブの門を叩いていた。
差別化を意識するがあまり…
先輩からの一言を真に受け、「俺はすぐに売れる」と期待に胸を弾ませながら、ホスト人生を歩み始めたが、現実はうまくはいかなかった。
「指名が取れないんですよね……。何を頑張れば売上に繋がるのか正解が分からなかったので、とりあえず思いついたことはなんでもしていました。街に出てナンパをしてみたり、初回(まだ指名のホストが決まっていない初来店のお客様)の席につく際は少しでもお客様の記憶に残るように他のホストとの差別化を意識していました」
そんなある日、お店で事件を起こしてしまう。
「とにかく目新しいことをしようとして、名刺をお客様に投げて渡してみたんです。当たり前ですが怒らせてしまい、こっぴどく叱られました……。今思うと、それで指名が取れるワケないですけどね(笑)」