『ドラゴン桜』『宇宙兄弟』編集者が語るコミュニティの未来
講談社で漫画編集者として『ドラゴン桜』『宇宙兄弟』などのヒット作を生み出し、独立後はクリエイターエージェント会社、株式会社コルク(以下、コルク)代表取締役社長を務める佐渡島庸平さん。
カヤック一のメガネ好きに、レーシックをして使わなくなったメガネをプレゼント。代わりにサングラスをもらった! pic.twitter.com/sW5vvw3Jok
— 佐渡島 庸平(コルク代表) (@sadycork) 2018年6月21日
そんな同社が2017年に設立し、若い世代に人気のコミュニティが「コルクラボ」です。最近では「堀江貴文イノベーション大学校」などに代表されるオンラインサロン(コミュニティ)について、よく耳にしますが、そもそも具体的に何をしているのでしょうか?
今回、「コルクラボ」第3期生で、bizSPA!の起業家インタビューにも登場したKoru-workers株式会社代表の南祐貴さんが、佐渡島さんに聞きに行ってきました。
僕がコミュニティを学びたくて作ったコミュニティ
――どうも、お久しぶりです。早速なんですが、まずは「コルクラボ」について改めて教えてもらっていいですか?
佐渡島庸平(以下、佐渡島):「コルクラボ」が何かというと、僕がコミュニティを学びたくて作ったコミュニティです。将来的に、作家のファンコミュニティを運営したくて、その準備としてつくりました。
ファンコミュニティというと、昔から作品を読んでいる古参のファンたちが、新参のファンを排除してしまうことはありがちですよね。でも、古参のファンからすればそんなつもりはなくて、自分たちで楽しんでいたら、いつの間にか新参のファンを排除してしまっている。
そうならない仕組みを作るにはどうしたらいいのか、そのために“コミュニティを学ぶコミュニティ”として「コルクラボ」を設立しました。参加者主導というのが基本方針で、こちらはいくつかアクティビティを用意するくらいです。一番盛り上がるのは半年に1回ペースでやっている合宿ですかね。
――「コルクラボ」は僕も参加してみて思いましたが、いつも参加者の熱量がスゴいですよね。資料が作り込んであったり、事前の下準備もそうですけど。
佐渡島:世の中にはありとあらゆる“遊び”が用意されているけれど、誰かが用意した“遊び”を享受するのではなく、自分たちで新たにそれを作ることを「コルクラボ」でやっているよね。
――コミュニティでの“遊び”については、僕も今、運営しているゲストハウス「Koru Takanawa Hostel, Cafe&Bar」(以下、「Koru」)で考えています。お店というか主催者側が一方通行でサービスを供給するのではなく、参加者全員が主体的になれる、相互に参加できる工夫です。
佐渡島:南君は初めて「コルクラボ」の説明会を受けたときに、どんな印象を受けたの?
――すごく洗練されていると思いました。資料にしても、段取りにしても。佐渡島さんが自ら動ける人を作るには「安全・安心を確保することが前提にある」とおっしゃっていましたが、たしかにそのとおりでした。設立当初から今にいたるまで、説明会の雰囲気はあんな感じだったんですか?
佐渡島:いや、そんなことはないよ。最近は僕が説明することもなくなって、メンバーが自発的にやってくれている、自走する組織になってきたよね。つい先日第4期生を募集したんですけど、ここ(オフィス)に何回かわけた説明会で、80人くらい集まりました。
――メチャクチャ来ましたね(笑)。