チキンの“部位指定”注文にげんなり…ファストフード店員の「地獄の時間」
世の中には思い通りにいかないことに対して逆上する迷惑な人がいるものです。日常生活においてできれば関わりたくないものですが、仕事となれば話は別。面倒ですが、どこに沸点があるかわからないので、慎重な対応をしなければなりません。
フライドチキンが看板商品の某ファストフードチェーンでアルバイトをしていた茶山祥子さん(仮名・25歳)は、クレーマーまがいの厄介な人物を接客して気が滅入った経験があるそうです。
基本的に部位の指定は断っていたのだが…
「フライドチキンは、1羽のにわとりの5つの部位から成り立っているんです。部位ごとにサイズや味が異なるため、オーダーの個数に合わせて偏りが出ないようにパッキングしていました。でも、好きな部位ばかりオーダーされると、不人気な部位が余ってしまうので、基本的には『指定はできない』と伝えるようにしていたのですが……」
バランスよく部位を分けて販売していたので、揚げなおす必要もなく、丁度いい具合に閉店できる予定の日のことです。閉店の約15分前に来店した40代の男性客がチキンを1ピースだけ注文し、ドラム(手羽元)の部位がほしいと強い口調でオーダーしてきました。
「食べやすく、豪快にかぶりつけるからか、ドラムは特に人気の部位。その日はあいにく全て売り切れていて、1ピースから販売できる代わりの部位を提案したんです。しかし、『俺はドラムしか食わん! 話にならんから店長を出せ!』と逆上してしまいまして……」
閉店間際だからこその苦悩
店長が誠意をもって説明をするも、まったく聞き入ってもらえず、結局ドラムの部位を新しく揚げることになります。
「チキンを新しく揚げるのには約20分はかかりますし、大量の油を使うので閉店作業に1時間くらいかけて処理するんです。キッチンで片づけを進めていたスタッフのイライラが伝わってきて、申し訳ない気持ちでいっぱいでした……」