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坂本龍馬、ジョブズ…「一事を成し遂げた」偉人たちの意外な共通点

学び

 いざ働き始めたものの、目の前の仕事に忙殺されて、なんだか楽しくない……。そんな悩みを抱えている若手ビジネスマンも多いと思います。

坂本龍馬

坂本龍馬

 大学卒業後、三井物産に23年間勤務し、ホリプロ取締役、リンクステーション副社長を経て、現在はビジネス書の執筆、講演、研修活動を行う、企業風土改革コンサルタントの古川裕倫さん。著書『仕事を楽しめる人は「忙しい」と言わない』は2020年に「第6回ビジネス書大賞」(主催:世田谷ビジネス塾)を受賞するなど話題の一冊です。

 今回はそこから、慌ただしい現代ビジネスパーソンに向けた坂本龍馬と海外の著名起業家の幸福論についての考察を紹介します(以下、同書より抜粋)。

人生の一事を探す旅も楽しい

 自分はまだ何をやり遂げればよいかわからないという話をよく聞きます。講演や研修のときなどに、よく受ける質問です。また、私も「古川さんの一事はなんですか」と質問されます。

 私は、まだ一事はまったく成し遂げていませんが、私のやりたい一事は「先輩・先人の教えを後世に順送りすること」です。そしてもう一つ、「日本と世界の小さな架け橋になること」があります。

 ただ、これは昔からずっと思っていたのではなく、20代や30代のときに自分の一事を探すことなんぞ思いもよりませんでした。こう思うようになったのは50代前半です。

坂本龍馬に28歳で訪れた転機

古川裕倫

古川裕倫・著『仕事を楽しめる人は「忙しい」と言わない』扶桑社

 坂本龍馬は、土佐藩の下級武士に生まれ、若い頃は剣術に興味があるぐらいで、自分が何をなすべきかなど露ほども思ってもいなかったのです。親に頼み込んで江戸に剣術(北辰一刀流)の修行に出かけます。そういう普通の青年でした。

 ところが、あることが転機になります。28歳のときに、勝海舟に会う機会がありました。当時、龍馬は幕府に対して否定的な考えを持っていたのですが、幕臣勝海舟は、龍馬に地球儀を見せて、西洋の近代化の様子やその武力について説明します。勝の話を聞いて、龍馬は考えを変えて、弟子にしてほしいと願い出ます。

 そこからです。龍馬が先のような偉業を成そうとしたのは。このままでは、日本国は西欧列強に食い物にされてしまう。刀や槍で、近代軍事力を持つ列強には勝てない。日本も、国力をつけて、独り立ちしなければいけないと思ったのです。バラバラの藩がいがみ合っているのではなく、国として一つにならければならない、そのために尽くしたいと思ったのです。

 28歳で成すべことを悟り、32歳で暗殺されたのですから、先の偉業はたった4年間で成されたのです。今、何を成すべきかわからなくても、それを探す旅も楽しいのです。やるべきことがわからないからと悩む必要などまるでありません。むしろ、何をしようかなと楽しんでそれを探すことです。自分の仕事や周りを見ながら、人生で何をしようかと考えることも大きな楽しみなのです。

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