ドン・キホーテ製、2万円台〜のネット動画専用テレビ。バズっても“売る気がない”陳列のなぜ
株式会社ドン・キホーテが、12月10日より、チューナーのないスマートテレビを発売しています。機器名は「AndroidTV機能搭載チューナーレス スマートテレビ」。ドンキのプライベートブランド(PB)「情熱価格」のイチ製品です。以下、中小企業診断士の関谷信之氏(@kakanrilabo)が寄稿します。
テレビのようでテレビじゃないテレビ
チューナーがない。地デジなどのテレビ番組を見ることはできない。ネット接続機能はある。YouTubeやNetflixなど動画配信サービスだけ、見ることができる。ずいぶん割り切った製品を出したものです。
プレスリリースでは「テレビのようでテレビじゃない!!」「ついに作ってしまった!」とアピールされています。
注目されたのは、24インチで2万1780円、42インチで3万2780円(いずれも税込)という安さ……ではなく「NHKの受信料がかからないのでは?」ということでした。ネット記事のコメント欄は「NHK」一色に。ドンキの目論見どおり? 大きな話題となりました。話題性を高め、来店させ、衝動買いを促す……ドンキの手法を考察します。
ブランドイメージは「ご期待以上。ドンキ」?
今回のドンキのスマートテレビ。
「スペック的に動作が遅いのでは」「タブレットで見たほうが快適じゃない?」など否定的な意見がある一方、店頭で触った人や購入した人たちからは「全然アリ」「音質はそれなりだけど、画像は『思ったより』良い」といった肯定的な意見が散見されます。なぜか?
ドンキPBのIT機器に対して「(それほど)期待していない」からです。価格を超える品質を期待しない。ところが、実際に触ってみると「思ったより」サクサク動く。画質がキレイ。「これはいいかも」と思えます。低い期待値が幸いし、満足度が向上するのです。
株式会社ニトリのCM「お、ねだん以上(お値段以上)。ニトリ」になぞらえると、「ご期待以上。ドンキ」といったところでしょうか。