念願の薬剤師になれたのに即退職。優しそうだった同僚が「ウラの顔」を見せるまで
当たり前の話ではありますが、どんな仕事も実際に働いてみないとわからないことは多いはず。
外から見るぶんには楽しそうに見えても、実はストレスフルな職場というのも珍しい話ではありません。以前薬局で働いていたという松原晴人さん(仮名・26歳)は、まさにそんな体験をしたそうで……。
薬剤師が天職に思えた
「あまりガツガツとした性格ではないというか……。競ってガムシャラに仕事をしたりするのは向いてないと考えていました。そんな僕が選んだ職業は薬剤師。学生のころからずっと競争の激しい環境で働きたくないと思っていたこともあって、とても恵まれた環境のように思えたんです」
出された処方箋に応じて正確に薬を処方する。何事もコツコツと着実に進めるのが好きだった松原さんにとって、薬剤師は自分に向いている職種に思えたといいます。
「だから、大学の薬学科に入ってからも勉強漬けの日々を送りました。薬剤師の試験に合格した時はすごく嬉しかったです。自分で思い描いた通りの人生を送れているような気がして自信もつきましたね」
狙い通り個人経営の薬局で働くことに
薬剤師になった松原さんが選んだ就職先は、2店舗を運営する個人経営の薬局でした。
「大手のチェーン店の薬局で働く道もありましたが、転勤があったり、薬剤師にもノルマを課すところがあるので、個人経営の薬局に絞って就職活動をしました。結果的に代々薬局をやってきた一族が家族経営している薬局で働くことに。
社長はいつもニコニコしていて感じの良い人物でしたし、実際に店舗にも下見に行ったところ、雰囲気が良かったのでそこに決めたんです。来店する患者さんも多く、地域の中核病院のすぐ近くにあり、どちらかというと忙しそうな職場。でも、4名いた先輩の薬剤師たちは優しい印象の人が多かったので、ここでならやっていけると思っていたんですが……」
ところが、しばらく一緒に働いているうちに先輩たちに対しての印象がどんどん変わっていったんだとか。