急失速した“盟主”マツキヨ。業界7位ココカラと経営統合に至った3つの理由
2021年10月1日にドラッグストア業界6位のマツモトキヨシホールディングスと7位のココカラファインが経営統合し、マツキヨココカラ&カンパニーが発足しました。2社の統合によって売上高は9200億円を超え、業界1位のウエルシアホールディングスに次ぐ2位の座を獲得することになります。
マツキヨココカラ&カンパニーは2026年3月期に売上高1兆5000億円という高い目標を掲げています。ドラッグストアはM&Aが活発で再編が激しい業界のひとつです。なぜ、かつて売上高業界トップだったマツモトキヨシは、ココカラファインとの経営統合に至ったのでしょうか?
ドラッグストアは8兆円を超えた有望市場
日本チェーンドラッグストア協会によると、2020年のドラッグストアの市場規模は前年比4.6%増の8兆363億円となりました。ドラッグストアの市場は年を重ねるごとに増加しており、2020年に初めて8兆円を超えました。
カテゴリー別にみるとホームケア部門が前年比7.9%増の1兆7454億円で、マスクなど新型コロナウイルス感染防止特需の恩恵を受けました。また、調剤・ヘルスケアは前年比5.7%増の2兆5338億円となりました。この分野は規模が大きい有望な市場です。
マツキヨココカラが統合した3つの理由
一方、化粧品などのビューティケアは前年比0.4%減の1兆5603億円となりました。緊急事態宣言で外出制限が課され、化粧品の需要は縮小しました。
マツモトキヨシとココカラファインの統合は、3つの要因が影響しています。1つ目はドラッグストアの市場が拡大していること。2つ目は規模拡大においてM&Aが有効であること。3つ目は化粧品の売上高が落ち込んだことです。
業界のトップを走るウエルシアは2021年2月期の売上高が9496億5200万円です。マツモトキヨシの2021年3月期の売上高が5569億700万円でした。ウエルシアとマツモトキヨシで売上の差は1.7倍もあります。マツモトキヨシは業界6位の座に甘んじていましたが、実は2015年の時点では売上高においてトップの座に君臨していました。