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ゲオが運営「超格安ブランドストア」が都心進出。人気のワケを社長に聞く

ビジネス

 普段ではなかなか手が届かないような有名ブランドの服が、90%引きで購入できる――。そんな買い物をしたことはあっても「オフプライスストア」という名前に馴染みがある人は少ないかもしれない。

 そんな中、国内でもいち早くオフプライスストア「Luck Rack(ラックラック)」をオープンさせたのが、株式会社ゲオホールディングスの子会社、ゲオクリア(本社:愛知県名古屋市)だ。

ゲオクリア

株式会社ゲオクリアの代表取締役社長の川辺雅之氏

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 2019年4月に1号店を構えて以来、順調にリピーターを増やし、2021年9月10日には千葉県柏市にも店舗をオープンさせた。リユース分野で知られるゲオグループだからこその強みや、オフプライスストア業界に今後について、株式会社ゲオクリアの代表取締役社長の川辺雅之氏に聞いた。

コロナ禍が追い風となった?

 販売のタイミングを失ったり時期を逃した商品を仕入れ、大幅に値引きし、販売するオフプライスストア。アパレル業界では大きな問題となっている「余剰在庫問題」を解決する手段として注目されている。海外では定着している業態でありながら、日本での知名度はまだまだ低い。

 株式会社帝国データバンクが6月30日に発表した「2020年度 上場アパレル企業決算動向調査」によると、上場アパレル企業45社のうち、新型コロナウイルスの感染拡大による客足減少が主な要因となり、80%以上が減収となっているが、1号店がオープンして約2年半、コロナ禍での営業が大半を占めている「ラックラック」。まずは、新型コロナウイルスで受けた影響について聞いてみた。

「休業要請の関係で営業時間を短縮する必要があり、少なからず影響はありました。要請が数回にもわたると、リピーターの足も遠のきます。一方で、商業施設などで空き物件が出ることで、普段なら簡単に出店できないような立地に出せるケースも。商品調達の面でも、販売時期の計画が減ることで余剰在庫が増え、先方からの問い合わせも多いと実感しています。客足の減少はあったものの、余剰品を扱うという特性上、総合的に見るとそれ以上のプラスはありました」

都心の店舗では20代の購買者が増えた

ラックラック

ラックラック表参道原宿店

 2021年7月に、期間限定の形で「東急プラザ表参道原宿店」をオープン。すでにリピーターも増えているという。いわゆる「中心街」や「若者の街」と呼ばれるエリアでの手ごたえは?

「若者を中心とする『Z世代』が訪れているのは想定していた通り。今後も中心街にアンテナショップのような形で1、2店出せればと考えていますが、基本的には新所沢パルコ店やミーナ津田沼店のような、郊外の施設や気軽に足を延ばせるエリアがメインと考えています。主な購買者層は団塊ジュニア世代の女性ですが、都心部の店舗になると20代がぐっと増えます。中心街への出店は、SNSでの発信力が高い層に期待する意味合いもありますね」

 本来、原宿への出店は100店舗目以降を想定していたという。大幅に出店が早くなった理由としては、消費者向けにオフプライスストアという業態の知名度を挙げる意図があった。アパレル大手のワールドが手掛ける「アンドブリッジ」、サザビーリーグ傘下のセレクトショップのエストネーションの「エストネーション セントラル」など、ここ数年でオフプライスストアの参入も増え、認知度は高まっている用に思えるが――。

「オープン当時、業界でも『オフプライスストア』という言葉を知っている人すら少ない状態でした。競合他社さん含め、店舗が増えはじめてからは知名度が上がり、新店舗の物件探しもスムーズに進めることができています。とはいえ、一般での知名度はまだまだ。リピーターが増えていることに対しては手ごたえを感じていたものの、遠方からわざわざ足を延ばす人は少ないという現状。そんな折に、東急プラザさんから出店の機会をいただき、認知度を上げるためにも若者が集う街への出店を踏み切りました

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