専門卒でも年収は大卒以上。資格をフル活用して働く29歳会社員
最近は採用の募集要項から《大卒以上》などの学歴を外す企業が増えていますが、それでも学歴によっては収入格差があるのは事実。しかし、大学や大学院を出ていなくても彼らの平均年収を超える賃金を手にする人も。金属部品メーカーに勤める福崎雄二さん(仮名・29歳)は、最終学歴こそ専門学校卒ですが2020年の年収は約410万円。彼が同年代の人たちよりも稼いでいる理由を尋ねてみました。
会社からは技術を評価されていると自負
「私は入社以来、ずっと工場勤務です。給料やボーナスの額を決めるのは会社なので、正直わかりませんけど、仕事でスーツに袖を通す機会は少なく毎日作業服姿の地味な仕事です。それでも学歴に不相応な収入を得られるのは、技術を評価されたのだと思っています」
彼が勤める会社は規模こそ大きくないですが、複数の特許を持っている業界ではそれなりに名の知られた企業。複数の大手メーカーとも取引があり、「ウチの製品に使う部品をぜひ作ってほしい!」などのオファーも絶えないそうです。
やりたい仕事だからこそ資格取得に熱が
「もともと工業高校に通っており、進学した専門学校も工業系。エンジニアなんてカッコいいものを目指していたわけではないですが、性に合っているのか部品なんかを加工する作業が好きだったんです。だから、妥協で就職したわけではなく、自分がやりたいと思っていた仕事。当然、資格に関しては学生時代に可能な範囲で取得するようにしていました」
そんな福崎さんが所有するのは技能士。厚生労働省のホームページには《働くうえで身につける、または必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定制度》とあり、全部で130種類。機械や電気、建築、土木に関するものが多数用意されており、これらの業界でも現場に携わる人には欠かせない資格です。
そのほとんどが1~3級、資格によっては特級が設けられていて、工業高校の生徒であれば在学中に何かしらの技能士の資格を取得する人は珍しくないそうです。