Apple、Googleを経てPinterest日本代表に。利用者・月4億人サービスの実用的な使い方
米国のGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)は「プラットフォーマー」として世界を席巻する企業だ。そんななか順調にユーザー数を伸ばし成長しているのが、昨年、ニューヨーク証券取引所に上場したPinterestだ。直近で月間の利用者数(MAU)はグローバルで4億人を突破したという。
今回はPinterest Japanグロース・オペレーションズ日本代表の舩越貴之氏に、サービスが急成長する理由や今後の事業展望について話を聞いた。
ITの将来性を感じてAppleへ入社
舩越氏は大学院卒業後、Apple JapanやGoogle Japanなどの外資系企業を渡り歩いて今に至る。
「大学院ではCADによる設計など機械工学を研究していました。卒業後はその分野で就職しようと考えていましたが、当時はちょうどインターネットが急速に普及し始める頃でした。図面も手書きではなく、パソコンを使って簡単に起こせるようになり、ITの将来性を肌で感じましたね。そこで、どこか自分に合う企業がないか探したところ、Apple Japanの求人を見つけたのです」
当時のApple JapanはMicrosoftに押され気味で、Appleコンピューターの良さが十分にユーザーへ伝わっていない時期でもあった。
「私自身Apple製品を使っていたので、その良さをどう広めていき、日本市場へ根付かせるか。そういったチャレンジ精神を持って、Apple Japanで働いていましたね。アメリカの企業風土にある“ベンチャー気質”が自分の性に合うなと思っていたので、『英語ができない』『多様なバックボーンを持つ同僚とどう向き合うか』といったこともあまり苦に感じず、楽しんで仕事をしていました」
YouTuber育成プログラムを立ち上げる
舩越氏がApple Japanに入社した当時は主要な製品が4つしかなかったという。そんななかAppleがオンラインストアを立ち上げる時のプロジェクトメンバーとして、ダイレクトマーケティングを担当。革新的な製品として世界中でヒットしたiPodシリーズ(初代iPod、mini、shuffle 、nano)やiBook、MacBook Proなど、Apple製品の日本市場でのシェア拡大に貢献した。
Appleで6年、働いたのち、転職したのはGoogle Japanだった。
「入社当初はAdSenseチームに配属され、Webサイトのマネタイズをサポートする仕事をしていたんです。ある程度目処が立ってからは、YouTubeの『パートナー プログラム(YPP)』の日本への拡大へ貢献し、YouTuberの育成に尽力した。今でこそ、YouTuberは『職業』と言われるくらいに認知されていますが、パートナープログラムを立ち上げた頃は、動画を収益化するといった概念がなかった。どうしたらクリエイターにとっても広告主にとっても魅力的なプログラムになるのか。何度もトライ&エラーを繰り返していましたね」
舩越氏のキャリアで一貫していることは、「誰もが使っている有名なサービスよりも、これから成長するサービスをいかに広めていけるか」というチャレンジ精神や創造性。常に野心的で挑戦する気構えがあったからこそ、外資企業でも成果を上げ、キャリアを積むことができたのかもしれない。