阿部純子、“シングルマザーの気持ち”になっての発見「寄り添うことが支えに」
2020年度後期の連続テレビ小説『おちょやん』(NHK総合)への出演も決まっている女優の阿部純子さん(27)。現在、三吉彩花さんとW主演を務める映画『Daughters(ドーターズ)』が公開中です。
仕事もプライベートも充実した東京暮らしを送る、20代の女性2人の人生の転機を見つめた本作で予定外の妊娠が発覚し、シングルマザーとして生きることを選択する彩乃を演じた阿部さん。
今回はご自身のライフワークバランスについて、2014年に映画『2つ目の窓』で、サハリン国際映画祭主演女優賞受賞など高い評価を得た直後に渡米した留学当時の思いなどを話してくれました。
妊娠は理解ではなく、寄り添ってほしい
――妊娠を経験していくという、想像を必要とする役でした。ご自身に照らし合わせて考えたりもしましたか?
阿部純子(以下、阿部):そうですね。ただ分からないことが多かったので、妊娠に関しての資料をもらったり、講習を受けたり、経験したことのある友人に聞いたりしました。そのうえでいろいろ考えようとしましたが、結局、考えることよりも感じることのほうが大切かなと思って臨みました。
――彩乃とルームシェアをしている小春(三吉)が、「初めてパパになる人のための本」を読んでいるシーンがありました。彩乃を経験してみて、パパになる人にはどんなことを求めたいですか?
阿部:彩乃は妊娠によって体や環境が変わって不安定になりますが、状況を理解してほしいとかではなく、寄り添ってほしいです。「この人は自分に寄り添ってくれている」と感じられることが、支えになる。それと、寄り添い合うためには、余裕があることも大事になってくるのかなと思います。
ライフワークバランスを考えてほしい
――20代の社会人には、この作品からどういったことを受け取ってほしいですか?
阿部:仕事と人生に対してのバランス感覚というのは、これからを考える上でのひとつのキーワードなのかなと思います。彩乃は妊娠して、今までの雇用形態とはまた違う形になるかもしれないと突きつけられる瞬間があります。
いま、仕事もしたいけれど人生も充実していきたい。そう考える方は増えているでしょうし、そうしたライフワークバランスを考えたうえで、働きやすさを考えたり、作っていくのはとても大事なことだと思います。