ダメダメ社会人が「累計1000万部」ベストセラー編集者になれた理由
仕事で悩んで、ビジネス書を手に取ったことはありますか?「大量のビジネス書を読んだことがいまにつながっている」と話すのは、企画した本の累計が1000万部を突破した株式会社アスコム取締役編集局長の柿内尚文さん。
初の著書『パン屋ではおにぎりを売れ』(かんき出版)は、ヒットメーカーの柿内さんが長年の編集経験で編み出した「考える技術」をまとめた一冊になっています。
前回のインタビューではそんな柿内さんの「全然ダメだった」と語るキャリアについて語ってもらいましたが、今回は「考える技術」とビジネス書の活用法を聞きました。
仕事はインプットしたことの繰り返し
――『パン屋ではおにぎりを売れ』は、数々のベストセラーを刊行されてきた経験がもとになっているそうですが、どんな過程があったのでしょうか?
柿内尚文(以下、柿内):もともと言語化してマニュアル化するのが好きだったんですよ。雑誌の編集していたときから、人に見せるためではなく、自分用にマニュアルを作っていました。企画の立て方などを中心に、本で読んだことや人から聞いたことなどインプットしたものをまとめて、マニュアル化していました。
さまざまなインプットをしているは多いと思うんですけど、ぜひインプットしたものを実際に試す機会を作ってもらいたいんです。僕の場合だと、インプットして、自分なりに考えて、それを試してみるということをやり続けているんですが、大げさに言えば仕事はほぼその繰り返しだと思っています。
仕事は「インプット」して「自分なりに考えて」「行動する」の3つに分けられるわけです。『パン屋ではおにぎりを売れ』という本は、その中で特に「インプット」と「自分なりに考える」という部分にスポットを当てて書いた本です。
中高校生でも興味を持てる本にした
――本書を読むと、教科書のようなわかりやすい内容に仕上がっています。どのようなターゲットを意識してつくったのですか?
柿内:もともとはビジネスパーソン向けのセミナーで話していた内容だったんですが、僕としては、普段本をあまり読まない人でも読んでもらいたいという、編集者としての思いがあるんです。
だから、ジャンルとしてはビジネス書ですけど、誰でも経験したことがあるような恋愛やレストランとかを具体例を出して、中高校生でも興味を持ってもらえそうな、読みやすい内容の本にしました。
僕自身、ダメダメな社会人だったんですけど、そんなダメダメな社会人だった自分が、本を読みインプットして、自分なりに考えて、行動に移すことで、小さな成功体験をして、その積み重ねがいまに繋がっているのかなと思っているんですよ。