20代後半で会社を辞めて世界一周。帰国早々、転職にも成功できたワケ
コロナの影響により海外旅行は事実上不可能な状態ですが、それまではアジアの各都市に格安のLCCが就航。大学の卒業旅行をはじめ、就職後も夏休みや連休などを利用して海外旅行を楽しんだ人も多いのではないでしょうか。
なかでも若い世代だとバックパッカー的な旅行を好む人も少なくありません。法人向けプラットフォームを開発するベンチャー企業に勤める田中喜保さん(仮名・32歳)は、28~29歳の約10か月間を使って世界一周の旅を経験。その旅行中に築いたSNS人脈が帰国後の再就職や仕事にも大いに役立っているといいます。
旅先で出会ったスゴい人たち
「最初はいろんな場所をこの目で直接見てみたいという単純な動機でしたが、旅行系ブログを読み、実際に世界一周などの長旅をした人に話を聞くうちに国籍や人種の違ういろんな人と交流したいと思うようになりました。旅行中は交流しやすいようになるべくゲストハウスのドミトリー(相部屋)に泊まるようにしていました」
旅行中にSNSを交換した相手の数は約250人。大企業に勤めていたエリートや医師、国際会計士に芸術家、ジャーナリスト、人気ユーチューバーといったスゴイ方たちもいたそうです。
「3分の1が日本人で、残りは外国人です。旅に出るまではSNSに登録していたのは、ほぼ日本人だったからまさかここまでワールドワイドになるなんて(笑)。海外の人とコミュニケーションが取りたくて大学時代から何年も英会話を勉強してきた甲斐がありました」
これはすべて「いろんな人と出会って仲良くなりたい!」という純粋な気持ちによるもの。仕事に活かそうなんて考えはまったくなかったそうですが、結果的に旅行中に築いた人脈の広さが帰国早々役に立ちます。
「ずいぶんと外国人の知り合いが多いんだね」
「今の会社の面接を受けたときのことです。当時は現在より規模も小さく、面接も社長が自ら行っていました。旅行中は世界的に利用している人が多いフェイスブックをメインに使っていて、設定で友達登録していない方も見れる状態のままにしていたんです。
社長は検索して私のページをチェックしたらしく、『フェイスブックを見たけど、ずいぶんと外国人の知り合いが多いんだね』と言われたんです」
職歴に空白期間がある理由について世界一周の旅に出ていたためだと事前に説明していたそうですが、なんとこの社長も元バックパッカー。しかも、SNSに友達登録している方の中には社長の知り合いもいたそうで、和やかな雰囲気で面接が進んだそうです。