ヤンキーが慶応大生に…ヤンキーインターン運営者に聞く「可能性の広げ方」
最終学歴が非大卒(中卒・高卒)で、16~24歳までの地方出身者を対象にした、長期研修型キャリア支援サービス「ヤンキーインターン」をご存知だろうか。
2月28日放送のヒューマンドキュメンタリー番組『ドキュメント72時間』(NHK)で、この型破りな就労プログラムが取り上げられると、放送終了後には視聴者のさまざまな意見や感想がSNSに数多く書きこまれるなど、大きな反響があった。
見えない壁にぶつかってしまった中卒・高卒の若者たちが再起し、社会へ羽ばたいてゆくまでのプロセスについて、インターンの運営を担う株式会社ハッシャダイの橋本茂人取締役に話を聞いた。
今は強烈なヤンキーはいない
――ヤンキーインターンと謳っているだけあって、札付きの不良やとんでもないワルを受け入れることもあるのですか?
橋本茂人(以下橋本):この就業支援サービスを立ち上げた当初は、相応にヤンチャな子たちも少数ながら在籍していましたけど、今は元暴走族のような強烈なヤンキーは残念なことに1人もいません(笑)。
先日放送されたNHKのドキュメンタリー番組の中で、受講生の1人が「高校時代、遊び半分で教室に消火器を撒いたことがあります」と言っていましたね。もちろん褒められた行為ではありませんから、生徒指導の先生方にしっかりお灸は据えられたそうです。テレビの取材に答えた彼からすれば、友人とノリで後先考えずに消火器を撒き散らしたことが「俺のやった人生最大の悪事」という認識なんだと思います。
なので、事業の立ち上げ当初から比べて、近年の受講生は同じ不良の系統でも比較的おとなしいタイプがほとんど。それと不良だけが集まるわけではなくて、中高まで進学校に通っていたけど、途中で引きこもりになってしまって大学に行けなかった人も一定数いるという感じですね。