お酒が飲めない人の「職場の飲み会マナー」とは
知っているようで意外と知らない社会人マナー。社会人になりたての頃ならまだしも、入社して3年過ぎても知らなかったり、間違ったマナーを覚えていたりすると、思わぬタイミングで恥をかくことになりかねません!
今回は、飲み会でのマナーを見てまいりましょう。飲める人ならまだしも、飲めない人にとっては苦痛の飲み会。そういうときの立ち居振る舞い方はどうすればいいのでしょうか。
企業研修やコンサルティング、メディア出演、NHK大河ドラマや映画のマナー指導なども行い、『要点をギュッ! はじめてのビジネスマナー図鑑』などの著書監修本は90冊以上もあるビジネスマナーコミュニケーションのプロ、西出ひろ子氏に話を聞きました。
「飲み会スルー」の今だから大切なこと
かつては「飲みニケーション」とも呼ばれ、会社の飲み会は仕事の一部として定着している時代もありました。しかし、近年では、とくに若い社会人はアルコールを嗜む習慣が減少し、酒席や宴席を敬遠しがちな人も多くいるのも現状です。
対照的にSNSを介したコミュニケーションは日常的なものになり、ビジネスとプライベートを分けて利用したいと考えている人が多くなりました。プライベートな時間を大切にしたいという人が増え、会社の飲み会に対しては「飲み会スルー」とまで言われ始めています。
「飲み会は無意味」「飲み会は面倒」など、飲み会に対してマイナスな気持ちのあるなか、会食などの飲み会に参加しなければならない場面もあります。そういうときのために、社会人として必要最低限のマナーを身につけておくと安心ですね。
お酒を飲めない人は「非アルコール」でもいい
お酒が飲めない人にとって、その席でのアルコールは恐怖の存在。ところが、飲めない人でもせめて乾杯などのときだけは、周囲にあわせて「アルコールの入ったグラスで乾杯をするのがマナーだ」などと言われてきました。
マナーとは、相手の立場に立つ思いやりであり、マナーはお互い様であることが前提です。そう考えたときに、飲み会でのアルコールの強要はマナー違反ですし、乾杯だけでもアルコールの入ったグラスを持つなどの決まりごとはありません。
一方で、周囲に合わせることは、スマートなマナーのひとつでもあります。飲めない人でも、自分の判断で、乾杯時だけは、周囲に合わせてアルコールの入ったグラスを持ちたいと思えば、そのようにすれば良いわけですね。
しかし、なかには、アルコールの匂いだけでも酔ってしまう人や、気分が悪くなってしまう人もいますから、飲めない人は、ご自身の体調を第一に、無理することなく、気持ちよく乾杯のできるグラスを持ちましょう。
飲める人は、飲めない人の気持ちに寄り添い、温かく見守りその場を互いに楽しく有意義に過ごせるよう配慮して差し上げることがマナーです。