高卒リーマンが管理職に昇進したら、平社員の頃より絶望した理由
世の中には働いてみないと分からないブラック企業がたくさんあります。労働環境に対する世間の目は厳しくなっていますが、それを逃れようとするブラック企業のやり口も、少しずつ巧妙になってきているのです。
そんなブラック企業の不誠実さを目の当たりにしたのは、人材系の会社に勤める安倍竜也さん(仮名・25歳)です。
勤続8年、若くして管理職に昇進
「商業系の高校を出て、18歳の時から、この会社で営業事務として働いています。派遣作業員を派遣先の企業に送り、その管理をする仕事でした。新入社員だった頃の手取りは月20万円ほど。その時から、勤続7年の間、ほとんど給料が上がることはありませんでした。
勤務時間は長く、朝9時の出勤から派遣作業員の帰りが遅いと終電がなくなることも多い。職場では歯ブラシなどの就寝セットと寝袋を常備していて、週の半分は会社で寝泊まりしていましたね。みなし残業代が50時間分ついていますが、もちろんそれを大幅に超えるほど残業がありました。でも、後から文句を言うようなことはできませんでした」
法律では、みなし残業代制度(固定残業代制)でも、設定した残業時間を越えた場合は上乗せして支払わなければならなりません。しかし、それが守られることのないまま、安倍さんに「昇進」という転機が訪れました。
「今年、勤続8年目にして昇進が決まったんです! 今まではずっといち平社員でしたが、1つの事務所全体をまとめるマネージャー職に昇進することになりました。派遣作業員だけでなく、社員のマネジメントという業務も発生し、売上の全体を管理する仕事になるため、未経験なことが多いことは不安でしたが、役職手当がつくようになるということで、喜んで昇進を受けることにしました」
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