くら寿司が大幅減益。客離れからの復活に期待できる強みとは?
回転寿司チェーン「無添くら寿司」を全国・海外に展開している「くら寿司株式会社」(以下、くら寿司)。
くら寿司は回転すし業界で売上2位 と、現在は業界首位のスシローを追う状況です。また、2019年初頭はアルバイト従業員が、一度廃棄した魚を再びまな板に乗せる動画をSNSに投稿(いわゆるバイトテロ)したのも記憶に新しいです。
しかし、特許保有数がすしチェーン中で最も多く(87件 、「特許情報プラットフォーム」調べ)、今後に期待できる要素がたくさんある企業でもあります。
そんな同社の「ホワイト/ブラック度」を、SNSアカウント「ブラック企業アラート」運営者が判定します。
「ブラック企業アラート」の調査観点
企業調査をする際は、基本的に全て、インターネット上に公開されている情報を利用しています。調査観点は主に下記3点です。
・ビジネスモデル…その会社の将来的な成長可能性、潰れにくさを見るため
・社長の人物/キャラ…トラブルが多い人物だと会社もトラブルに巻き込まれやすいため
・社風…実際に働いてみた時の雰囲気が合うかを把握する必要があるため
今回も同じ観点で調査を進めていきます。
1)ビジネスモデル:苦しい経営状況
まず、すし業界のデータを確認します。厚生労働省の「第30回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会」の資料より引用しました。
これを見ると、寿司業界は平成13年(2001年)以降、業界規模は「ほとんど横ばい」であると言えます。つまり、成長市場とは言い難く、市場のパイを小さくしないように各社が企業努力をするフェーズに入っているのでしょう。
上記を踏まえて、くら寿司の直近の決算を確認します。
2019年10月期(くら寿司は10月決算の企業)の売上高は、約1361億円(前年比2.7%増)とわずかに伸ばしたものの、営業利益は前年比20.4%減・経常利益は19.9%減と苦しい状況となりました。