株価暴落に備えよ。初心者でも暴落で資産を増やす、3つの準備
老後の不安や子どもの将来のために、最近では20代でも資産運用に挑戦してみようとする人がいます。とはいえ、資産形成をしたいけれど、いきなり投資をはじめるのは不安。
当連載「今から始める“老後2000万”資産形成」では、これまで資産形成に必要な知識、アクションを紹介してきました。
最終回となる第9回目は、2008年のリーマン・ショック時に資産を増やすことに成功した田中大樹さん(仮名・30代)に取材。なぜそのような大胆な投資を行うことができたのかも含めて聞きました。
資産を増やす最大のチャンス
金融界では「1~2年以内には大規模な株価の暴落が訪れる」と言われていますが、実は暴落時こそが個人投資家にとっては資産を増やす最大のチャンスでもあるということを知っていますか。
基本的な投資スタンスは、第4回の記事でお伝えしたように積立投資で堅実に資産を増やしていくことをおすすめしますが、「暴落を機に資産を増やす」手法も、資産形成を加速する手段のひとつとして覚えておいて損はないでしょう。
田中さんが資産を大幅に増やしたタイミングである、リーマン・ショックを例にこの投資手法を説明します。2008年10月28日に最安値の6949円を記録した日経平均ですが、仮にこの時点で日経平均に連動する金融商品のETF(Exchange Traded Fund=上場投資信託)を購入していたとすると驚異的なリターンを享受できていたわけです(実際には、最安値は後で振り返ってわかるもので、渦中では判断できなかったりしますが)。
日経平均がリーマン・ショック前の水準の1万4500円付近にまで回復したのが、2013年9月なので4.8年かかったことになりますが、年平均リターンに換算すると16.3%(税抜き評価益)になります。その後も株価は、アベノミクスによる成長を続け今日の20000円以上に至ります。
景気と株価はいずれ回復する
暴落時に投資をするという考えは、一見無茶な行為に見えます。しかし、不況になったとしても一般的にはまた景気回復することが広く知られており、株価も同様に回復します。
この事象は「景気循環」という言葉で表され、例えば日本はすでに15回の景気の波をくぐり抜けてきたとされています(内閣府経済社会総合研究所「15循環の景気の谷以降の状況について」2017年6月15日)。
株価は暴落時には売りが売りを呼び、売られすぎることが多いため、暴落時の「お買い得」な価格で購入して、景気および株価の回復をじっくり待つというのが、この投資のベースとなる考えです。