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キーエンスの「独特な就活面接」の本質を元社員が語る

学び

 こんにちは、吉田敬悟です。キーエンス元社員で、現在は求人・転職メディア事業と新卒向けキャリア支援事業を行っています。

キーエンス

※画像はイメージです(以下、同じ)

 平均年収2110万円の超高収益企業・株式会社キーエンス。最近では、あおり運転殴打事件の容疑者が在籍していたことや、利益率50%を超える高収益ノウハウの外販を始めるなど各方面で話題をさらっている企業でもあります。

 そんなキーエンスですが、近年、就活生の間で人気がかなり高まってきており、一部では「新卒入社の面接選考が日系企業の中でもっとも難しいのでは?」とまで言われています。

 そこで数回に渡り、非常に特異と言われるキーエンス選考の全貌や人事の意図、さらには突破法を就活生に向けて考察していきたいと思います。今回のテーマは「キーエンスの選考方法」。

キーエンスの特異な選考方法

 キーエンスはFA(ファクトリーオートメーション)を基軸とし、世の中のモノづくり企業の生産効率最大化に大きく貢献しています。その他、直販営業や、自社で工場を持たないファブレス経営など、この会社の代名詞ともいえる特長が数多くあります。

 また、その選考過程においても、それぞれ特別な固有名詞が付くほど特徴的と言われており、中でも下記の3つが非常に面白い選考内容となっています。この選考方法は、ここ10年間弱変わっていません(実際に受けた人へのヒアリングによる)。

① 20秒自己PR…20秒の制限時間内で自己PRを行う
② 説得面接…突如出されるテーマに沿って3分間のアドリブで面接官を説得する
③ ビデオ面接…ビデオカメラが向けられた状態で理詰めが中心となる面接が行われる

キーエンスの選考方法「20秒自己PR」とは

面接

 今回は「20秒自己PR」について考察していきたいと思います。

 20秒自己PRとは、キーエンスを受ける学生なら誰もが知っている超有名な面接手法です。近年ではキーエンスに興味がなくても、試しに受けに行く学生もいるくらい。もはや就活名物と言えます。

 この選考ではその名の通り、きっかり20秒がカウントされている中で、自己PRを行わなければなりません。

 そのサイクルと言ったらとてつもなく早いです……。実際におよそ150人の学生の20秒自己PRが説明会の休憩時間で行われます。

 学生は次々と名前を呼ばれ、入り口付近に行列を作り、どんどんPRを済ませていきます。人事はそのPRを見て手元のiPadを操作していきます。恐らく画面に◯ or ×のボタンでもあるのだと想定できます。

 私が受けに行った時には20秒で一発芸を披露したツワモノもいました(内定式にはその学生はいなかったですが……)。

 さて、それでは早速、具体的にどんな意図があってキーエンスは20秒自己PRを実施しているのか? 内定者の視点から考察していきます。

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