「ゴルフするの?」と聞いてくる上司のホンネは?上司語の表と裏
日本人は思ったことをストレートに言わず回りくどく表現するが、サラリーマンが使用する表現のまわりくどさは、学生の比ではない。サラリーマンは組織の生き物。組織の論理はあらゆるところに張り巡らされている。
サラリーマン上司が発する言葉を、額面通り受け止めてはいけないのは自明の理だ。それは、普通の言葉というより、あなたに何かを伝えようとするサインに近い。上司の一言に隠された真意を読み解けばサラリーマン人生は快適なものになり、読み間違えると地獄が待っている。
好評連載の上司語シリーズ、第3弾。今回もサラリーマン研究所の五島一三氏に、「上司が使う言葉」(上司語)のホンネとタテマエを解説してもらった(以下、五島氏の解説をもとに構成)。
Q1.「オレのほうから言っておく」
上司の本音①「ちょうど良かった、あいつに会いたかったんだ」
あなたに他の部署に伝えたい何かがあり、そのことを上司に相談したときに、この言葉が出てくることがある。
上司は「言い方を間違えると、相手の機嫌を損ねるので自分から伝えよう」と思っている可能性がある。しかし、上司はただ単に、仕事の話にかこつけて相手側の部署の上司(上司と同年代)に会いたかっただけかもしれない。実は、後者の可能性の方が大きい。
相手側の部署の上司を「たまには呑みにいこう」と誘いたいのかもしれないし、私用に関連した何かを伝えたいのかもしれない。特に用事がないのにわざわざ他の部署に出向き、そんな話をするのは気が引けるが、仕事上の連絡のついでなら話しやすい。上司はそんなふうに思っている可能性が高い。
上司がこの言葉を吐いたら、あなたは「すいません、ではお願いします」と言っておけばよい。それで上司の機嫌は良くなる。ここであなたが、上司に負担をかけると自分の得点が下がると勘違いし、「わざわざ、課長のお手を煩わせるほどのことではありません」などと言えば、上司からは「空気の読めないバカ」だと思われ、嫌われてしまう可能性大だ。
Q2.「さっきは、言い過ぎた」
上司の本音②「ハイ、この件はもう終わり」
上司があなたを厳しく叱責した後で、あなたを自分の席に呼んでこんな言葉でフォローしてきたら、「この上司は、しょっちゅうあんなふうに怒っているんだな」と思えばよい。たまにしか怒らない上司(=部下が本当に大失敗をした時にしか怒らない上司)は、こんなことはまず言わない。
こんなセリフを吐くのは、「上司が仕事で部下を叱るのは正解」と思い込み、年中、怒っているタイプの上司だ。この手の上司は、怒られてへこたれる人の気持ちが分からない。ただ、自分の叱責のせいで部下にずっと意気消沈されても困るとは思っている。だから、このようなフォローを入れてくる。
この言葉を聞いたら、あなたは気持ちを切り替えて、元気に振る舞えばよい。深く反省している様子を演出しようと、いつまでも落ち込んだ表情でいたら、上司からは扱いにくい奴だと思われるだけで、何もよいことはない。