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30歳目前だけど新卒の合同説明会に潜入「学生が聞きにくいことをアレコレ聞いてみた」

学び

 リクルートスーツに身を包んだ就活生が街を行き交うこの季節。リーマンショック後の就職氷河期を過ごした身からすると、今の売り手市場は正直うらやましい。

 果たして売り手市場とやらの現場はどうなっているのか。自分が就職活動をしていた約5年前とどんな変化があるのか。この目で見てみたくなった。

 ということで、30歳目前の女性ライターの筆者が、5年ぶりに新卒の合同説明会に潜入してみたので、その結果を報告する。

ご親切に「まわり方セミナー」を受けさせられる

モザイクあり

5年ぶりの就活生スタイル、意外となじめている気がする(※一部画像処理してます)

 まずは新卒向け就職サイトに年齢を誤魔化して登録をすると、当時何度もログインしたトップ画面が思い出された。当時は企業名がごちゃごちゃと並んでいて雑然としていたが、5年ぶりに登録したサイトは洗練とされた使いやすいデザインになっていた。

 そして4月のある日。「どうせ着る予定ないから」と実家に保管してあったリクルートスーツを親に送ってもらい、久しぶりに腕を通すと初心に帰ったような気持ちになった。

 黒のリクルートバッグを押入れから引っ張り出し、合同企業説明会が行われる都内某所へ向かった。

 参加企業数は約150社。会場の規模からしてもそこそこ大きいはずだが、移動中は不安になるほど就活生を見かけなかった。

 会場に着いても人がほとんどいない。少々緊張しながら受付で事前申込みしたID番号を記入し、会場の中へ入った。

「はい、まずこちらで3分ほどまわり方セミナー受けていただきます」

 入って早々スタッフに言われ足を止め、思わぬ親切な案内にきょとんとしてしまった。自分のときは、会場に入った途端に広がる企業の海原にいきなり放たれていたというのに。優しくなったものだ。

まさかの「タクシーチケット配布」!?

 会場資料を見ながら説明を受けるが、特別役に立つ情報かといったらそうでもない。

 ただ、話を聞いているあいだに心の準備はできそうだ。ふと反対側にある出口が目に入った。

 会場を去る就活生の横で、スタッフが片手に持つ案内板には「タクシーチケット配布中」という文字が。やはり、私の時代とは違う。売り手市場といわれる現場が見て取れる。

 会場いっぱいに広がる企業ブースを下見がてら見て回った。壁には笑顔の社員や商品のポスターが飾られ、プロジェクターで映されたパワーポイントと向かい合うようにパイプ椅子が並ぶ。

 前を通ろうとすると「いかがですか~?」と企業の人が近寄ってきて笑顔を向けるもんだから、まともにブースを見れない。怖い。しかも息つく間もなくそれが続きとても疲れる。そういえば当時も同じことを思っていた。

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