“孤独対策”が進んだイギリスの「男の小屋」プロジェクトとは?
孤独、そして死というキーワードが並んだとき、多くの人が連想するのは「孤独死」だろう。
誰にも気づかれず、適切なケアを受けることもできず、一人寂しく死んでいくのは確かに怖い。
だが、それ以上に怖いのは「孤独であること自体が死の原因になる」という事実だ。
男のプライドがぼっちを加速!
まずは「ぼっち化しやすい人」の共通点を確認しておこう。
識者たちが異口同音に、最大の危険因子として挙げたのが“プライド”。とりわけ、男のプライドは根深い問題をはらんでいる。産業医の大室正志氏に聞いた。
「女性がホストクラブに行くのは精神が不安定なとき。男性がキャバクラに行くのは羽振りのいいとき……という有名な話があります。
本来、人との繋がりは弱っているときほど必要なのに、男は弱っているときほど引きこもろうとする。あるいは、他人と会わずに済むパチンコにハマったり。一時的な羽休めであれば、パチンコだって癒やしになり得ますが、長期に及べば、ぼっち一直線です」
孤独対策先進国でブームの取り組み
男のプライドが人との繋がりを妨げているのは万国共通のようで、孤独対策先進国イギリスでは、次のような取り組みがブームになっている。
孤独問題に詳しいコミュニケーション・ストラテジストの岡本純子氏はこう語る。
「イギリスでは<男の小屋>と名づけられたDIY工房が全国で増えているんです(約400か所)。
DIYという名目があれば、寂しいオジサンたちもメンツを保ちながら集まれるというのが狙い。これが<孤独な中高年のためのサークル>なら、まず人は集まりません」
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