人気のコンサル業界のこと、正しく知ってる? 戦略ファーム、シンクタンクってなに?
新卒・中途を問わず人気業種のひとつにコンサルティング業界があります。
2017年の「東大・京大生が選んだ人気企業ランキング」では、1位のマッキンゼー・アンド・カンパニーを筆頭に、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)やアクセンチュア、ベイン・アンド・カンパニーなど10位中7社がコンサルティング会社という結果です。
前回の記事では、コンサルティング業界に飛び込む前に知っておくべき、業界の外観を書きました。今回は、コンサルティング業界にはどのような会社が存在するか、また各業界、各社の特徴について簡単に説明していきたいと思います。
【第2回】コンサルティング業界の外観
一口にコンサルティングファームといってもこれだけ多様性があります。
19世紀にアメリカで発祥したコンサルティングは、元来は業務改革が中心でしたが現在はさまざまなサービスが提供されるようになっています。
コンサルティング業界各社を、提供するサービス別に整理すると、戦略系、総合系、シンクタンク系など幅広く何でもやるものから、組織人事、フィナンシャル・アドバイザリー(FAS)、ターン・アラウンド、戦略+VC系と専門性を出しているものまであります。
就活・転職活動をする人が「コンサルティングファーム」と言ったときは、たいていの場合、「戦略系」「総合系(その中でも特に戦略部門)」を意味していることが多いと思います。
シンクタンク、組織人事、FASとは?
「シンクタンク系」は、三菱・みずほなどの名前を見て想像できるように、もともとは銀行・証券会社などの社内コンサルや調査業務、システム導入のために設立された背景があります。
それが、官公庁や大企業をはじめとした外部クライアントにもサービスを提供するようになりました。業界・地域の調査レポートを作成がサービスに含まれていることも、他社との違いです。
「組織人事系」は、人事評価、給与・福利厚生制度にフォーカスを当てたコンサルティングを実施しています。典型的な例としては、M&Aや合併時の給与・人事評価制度の統合、離職防止やモチベーション維持などの課題解決の支援などがあります。
「ファイナンシャル・アドバイザリー系」(FAS)は、M&Aの際の「買収する会社に問題がないか調査」(Due diligence)、「買収する会社の価値算定」(Valuation)、その他に「事業再生」(Reorganization)や「不正調査」(Forensics)などを主に行っています。
これを主に行っているファームは、4大会計士事務所(BIG4)を母体としているため、公認会計士やU.S.CPAが多数在籍し、他の業務と比して高い専門性を有していることが特徴です。