マーケティングってそもそも何?素人でもわかるようプロに聞いてみた
身近な広告や商品に目を向けることから
――現在のデータ分析の最先端はなんですか?
野村:現在、注目されているのはAIなどの先進技術を活用し、そこから何か発見していくことですね。消費者に直接意見を聞くアンケートなどの意識データだけではなく、人間の無意識にあるデータを活用するという新しい試みになります。マクロミルでも、昨年、脳波波分析を活用したニューロ・マーケティングサービスを手がける「センタン」という企業を子会社化し、生体情報を活用したマーケティングリサーチ事業への取り組みを強化しています。
――今後、専門分野で働きたいという人に向けて、業界ごとのマーケティング活用進度を教えてください。
野村:これは個人的な印象ではありますが、非耐久消費財と呼ばれる生活に欠かせない、食品・日用品を取り扱う業界は、かなりマーケティングに力を入れているイメージがあります。また、データ収集するにはお金がかかるので、予算が比較的潤沢な外資系の企業も、新しい技術を積極的にマーケティングに取り入れているように感じます。
ただ、やはり大切になるのは「身近な人が何を考えているのか」を考える癖をつけることだと思います。これは私が新入社員の時に先輩にアドバイス頂いたことなのですが、私が普段やっているのは、電車の広告やテレビCMを見るときに、「これって誰に向けて、何を伝えたくて広告しているのか」と考えたり、あるいは、新商品が発売された時に、「この商品って誰向けで、どんなコンセプトなんだろう」と考えたりすることです。
身近な広告や商品に目を向けて、普段見ている角度とは別の角度でモノをみるのがマーケティングの考え方を鍛える第一歩かと思います。
<取材・文/小畑マト 撮影/林紘輝>