ブラック企業は「辞めるのも命がけ」28歳が怒りの告白。着拒しても鳴る電話…
身体からの異常な合図があったら辞めるべき
川崎さんは、現在では別の非正規の職に就いています。ブラック企業で働いている人に対して、辞め方のアドバイスはありますか?
「どうしたらいいかというと…正直なところ難しいと思います。
ひどい職場にいると、他の仕事を探す時間も精神的な余裕もなくなっていき、その会社以外に行き場所がないような感覚に陥るのです。
私の場合は、助けてくれる友人がいたり、当面は安い家賃で住まわせてくれるシェアハウスを知っていたりなどがあって、あの会社から抜けられました。しかし、そういったつながりはみんなが持っているわけではないですから、その点は非常に難しいと思います」
辞めるのは簡単ではないけれど、ひとつアドバイスがあるといいます。
「ただ一つ、私から言えるとすれば……身体が何かしらの異常の合図を発したらそれを無視しないことです。それ以上働くと取り返しのつかないことになるかもしれません。大袈裟に聞こえるかもしれませんが、それが生命の危機につながる可能性もあります」
今でもなくなることがないブラック企業。その原因のひとつに、ひどい会社だと思っても簡単に抜け出すことができないという背景があるのかもしれません。
「身体からの異常の合図に従う」。それは、体験者からのシビアながら現実的なアドバイスです。
<取材・文・撮影/菅谷圭祐>