「好きなことで本当に稼げるのか?」25歳女YouTuberの新しい働き方
「継続できるかどうか」が好き嫌いの基準
――そうなんですね(笑)。現実は厳しかったとはいえ、20代前半という早い段階で夢を諦める決断はなかなか勇気あるものと思いますが。
藤原:私はイヤなことからすぐ逃げちゃうというか、芸人にはすごくなりたかったけど、スベるのってやっぱ苦しいじゃないですか(笑)。努力で改善できるといっても、自分の内面的な問題なので。
向いてないとはっきりわかって、苦しくてやめちゃった感じです。今も「無駄づくり」活動で「死ね」「ブス」「つまんねー」みたいな反応がひと通り来ますけど、それでもなんとか続けられているのは、やっぱり根底に楽しさがあるからなんですよね。
芸人やっている時も楽しいは楽しかったんですけど、そういう根底の楽しさみたいなのは、やっぱりなかった気がします。
――継続できるかどうかは、「そもそも好きなこととかよくわからない」という人にとって、ひとつの基準になるかもしれないですね。たとえ批判に晒されても続けられるというのは、やはり今の仕事が好きということなんですね。
藤原:無駄づくりは好きなんですけど、かなりめんどくさい日もあるし、基本的には妥協というか消去法で続いている感じです。
でも、好きなことはないけど現状にかなり不満があるという人にアドバイスするとしたら、いろんなことに挑戦するのは大切かなとは思いますね。昔から憧れているものにはすぐ手を出して近づこうとするタイプで、私はお笑い芸人以外に音楽もやったり、小説書いてみたりもしてきたので。
それで向いてねーなって感じでどんどん削除し、YouTuberとして変なことやるという企画がよしもとから回ってきたことが、今に繋がっているので。
「そもそも褒められたら、たいていのことは好きになる」
――本書でもYouTuberを始めた経緯が書かれていましたが、よしもと内のYouTuberオーディションで社員さんや周りの芸人さんがおもしろがってくれたのが、やはり大きかったんですね。
藤原:そもそも褒められたら、たいていのことはそれだけで嬉しくて好きになっちゃうと思うんですよね。自分が得意なことや好きなことの本質を突き詰めていったら、いろいろと選択肢が広がっていくのかなと。
――好きなものでいつか稼ぎたいと考えている人には、不完全なもの、自分の納得できないもので恥かきたくないというプライドが邪魔して、二の足を踏んでしまうことも往々にあると思いますが、勢いの部分と納得のいくコンテンツづくりのバランスというか割り切り方についてはどう考えていますか。
藤原:それは私も最近までずっと悩んでいて、例えば最初の頃は考えすぎて文章も全然書けなかったんですよ。
でもある時、尊敬する作家の方に相談したら「そんな考えなくていいんだよ。読む側は頑張って作ったのも、手抜いて作ったのも平等に見るから。むしろ手抜いたほうが面白い時あるし」と言われて、すごく納得できました。
なかにはこだわったほうがいいこともあるとは思うんですけど、だいたいは無視してもいいのかもって思えますね。文章書くのも本当にこだわり始めたら1年とか掛かっちゃいそうじゃないですか。