15平方m以下の「超狭小ワンルーム」が都心に急増!実態は“悪魔合体”の産物!?
10平米台前半のワンルームは“悪魔合体”の産物!?
どうしてこのような住宅が急に増えたのでしょう?
私はこの現象を、
・アベノミクス以降の金融緩和で土地が急激に高くなったこと
・スマホ1台ですべてが完結する時代
・ミニマリストに代表される“物を持たない生活”の推奨
の悪魔合体だと考えるのです。
アベノミクス以降の金融緩和で都内の土地はぐんぐん上がり、貸家の原価となる土地代は非常に高くなりました。しかし、賃料は土地代の差額分ほど伸びることはありません。
もともと、賃貸住宅の賃料は安定していて、景気に大きく左右されることはありません。しかし、原価は確実に高くなっています。新しく建てるアパートはどうやって回収するのでしょうか?
ここで、業者は部屋の大きさに目をつけます。20平米と18平米で広さは10%変わりますが賃料は10%も安くなりません。では16平米なら? いや12平米なら……? ロフトつければ大丈夫じゃない?
そうして行き着いたひとつの到達点は、かぼちゃの馬車に代表される7平米がずらっと並ぶタコ部屋……ではなく“シェアハウス”でしたが、もうひとつはシェアハウスほど入居者の入れ替わりが多くない狭小アパートorマンションでした。
ここに、スマホですべてが完結し、ミニマリズムという大波が来ます。そうなると、狭い部屋でも新しいから入居するという人が出てきます。スマホの万能性・利便性に救われているところがあります。
おじさんは少し悲しい、この風潮
私の世代は、女の子を呼ぶために一人暮らしをして、いつでも来てもらうために、部屋をオシャレに、ベッドはセミダブルに、など努力していた気がします。そのときに、ロフトではカッコつかない、22平米……いや24平米くらいないと! など逆算していました(遠い目)。
時代は変わり、それよりも職場に少しでも近く、睡眠と余暇時間を確保するという風潮、おじさんは少し悲しい気持ちで見てしまうのですが、いかがでしょうか。
【P.S.】
江戸に住む庶民は4人で4畳半借家暮らしでしたし、戦後まもなく上京した藤子不二雄Aの『まんが道』では2畳2人で生活していて、4畳半のトキワ荘に引っ越したときに、「広い!」と驚く描写がありました。もしかして、都市部にますます人口が集中するなかで、時代は知らずに逆走しているのかもしれません。
<TEXT/のらえもん>