<第7回>商品世界を覆う紙幣の海、そして救世主2人が――『貨幣論』と『トイ・ストーリー』を混ぜてみた
船の横に巨大な「手」が!一体、何者?
アダム・スミス「見えざる手、カモン!」
見えざる手「グモモモモ」
リンネル「?」
見えざる手「イ~ンヴィジィブル・ハ~ンドッ」
アダム・スミス「ふふふ、すごいだろう」
船の横に巨大な「手」が現れました。高さ50メートルはありました。
しかし、その姿は誰にも見えません。
リンネル「何も見えないよ?」
見えざる手「…………」
お茶「なんなんだよ!」
アダム・スミス「見えざる手だからねぇ」
見えざる手「マ゛ッ……!」
アダム・スミス「行け、見えざる手! 価格調整だ!」
見えざる手「マ゛ッ……!」
見えざる手が飛び上がり、天空に5本の指をかかげると、勢いよく紙幣の洪水のなかに飛び込んでいきました。紙幣を掴みながら、波のなかを進んでいきます。
リンネル「調整……されているの?」
アダム・スミス「ああ、そうだよ。」
リンネル「見えたらいいのに」
アダム・スミス「はっはっは、面白いこというねえ。行け、もっとやれ、見えざる手!」
見えざる手「マ゛ッ……!」
見えざる手が紙幣の海を泳ぎ続けています。