地面師事件、かぼちゃの馬車…最後の「平成経済事件」はなぜ起きたか?<異色対談>
積水55億円詐欺、一流企業はなぜ騙された?
――たにやんさんは、どう感じますか?なぜ、積水ハウスのような一流企業が騙されてしまったのでしょうか?
たにやん:2020年の東京オリンピックを控えて都内の土地が高騰し、買える開発用地が少なくなっていた。そんななかで出てきた一等地の取引話だったからこそ、飛びついて騙されてしまったのかと。これもバブル末期になると怪しい話がたくさん出てくるという特徴だと言えます。
最近は、私の周辺でも物件の売却を進めるオーナーが増えています。名目は本業の強化だったりするんですけど、明らかに現金化を急いでいる。この先の不動産市況が悪化すると見込んでいるのだと思います。
地面師のプレイヤー数は意外と限られている!?
――実際、たにやんさんも手がけられているんですか?
たにやん:ただ、そういう物件に限って表には出しづらかったり、融資がつきにくかったりするので、ファイナンスのアレンジでは苦労してます。
ブリッジファイナンス(つなぎ融資)で、金利2桁で調達したりとかですね。まあ、それでも利ざやが取れるくらいの収益力があるんですけど。
ボヴ:地面師のプレイヤーの数は意外と限られていて、今回のような大人数の一味が逮捕されると、彼らの年齢を考えると、根絶に向かうんじゃないかという気がしてます。
逆に今の若い世代が手段を問わずに稼ごうと思ったら、仮想通貨取引所のハッキングでもしたほうが足もつきにくいと考えるんじゃないですかね。彼らからすれば地面師は効率が悪い(笑)。
<取材・文/栗林篤 撮影/井野祐真>
【ボヴ】
公認会計士。零細会計事務所と弱小監査法人を経営しながら、ベンチャー企業の社外役員をさせていただいたり、M&Aにいっちょかみさせていただくことで、ご飯を食べています
【たにやん】
新興上場企業でIRや開示、資金調達をしたり、業績が傾いた会社に呼ばれて管理会計と資金繰りに四苦八苦したり、不祥事の後始末をしたりするお仕事をしてきました。今は会計分野にとどまらず、企業の管理周りの何でも屋さんをやっています