大事な顧客から「肉弾接待」の要求…若手社員の取った行動は?
すでに限界に来ていたらしく、統括部長はちょっとお酒を飲ませると、すぐにダウン。座敷だったこともあり、そのまま寝入ってしまったそうです。
「身体の大きな方なのでタクシーまで運ぶのと、降りて自宅まで連れて行くのは大変でしたけどね(苦笑)。けど、女のコを守ることもでき、大口のクライアントを失わずに済んだので良かったと思います」
翌日、統括部長から電話で前夜のことを尋ねられたそうですが、「『眠いからやっぱり帰る!』と言われたので、ご自宅までお送りしたのですが……」と答えたとか。
相手を酔い潰して危機を回避!
「『迷惑かけてすまなかったね』と謝ってきたので、肉弾接待のことを覚えているのかは分かりません。まあ、記憶がちゃんと残っていたとしても聞けないでしょうけどね。あれは向こうにとってもコンプライアンス的に一発アウトでしょうから」
統括部長は今も彼女がお気に入りで親睦会やゴルフコンペにも呼ばれたそうですが、会社の社長や事務所のマネージャーも同席してきっちりガードしているそうです。
「けど、肝心の彼女は、『部長さん、お金持っているみたいだし、愛人になるのも悪くないかも(笑)』って言い出す始末。これまでの周囲の苦労をフイにする一言にさすがに力が抜けちゃいましたよ」
一番のモンスターはひょっとすると彼女なのかもしれません。
― 特集・モンスタークレーマーとの死闘 Vol.1 ―
<TEXT/トシタカマサ イラスト/zzz(ズズズ)@zzz_illust>