大手企業の学歴フィルターを攻略した就活生の“たったひとつ”の強み
三流大学から一流企業への挑戦
今回は、実際のカウンセリングケースから「首尾一貫感覚」を高めることで救われた人や成功した人の具体例をご紹介します。
私は以前、一般企業の人事部で採用を担当していた経験を活かして、ある大学の就職課でキャリアカウンセリングをしていた時期がありました。そのときの経験で、首尾一貫感覚の高さを印象づけられた学生のエピソードを紹介します。
B君は当時、大学3年生で、そろそろ就職活動を真剣に考える時期に差しかかっていました。B君の大学は、偏差値でいえば決して高いといえるレベルではありませんでしたが、就職活動には力を入れていた大学でした。
B君の希望の就職先は、海外にも大きな拠点がある大企業ばかりでした。大学生になってからアジア一周旅行の際にボランティア活動を体験したことがきっかけで、将来は途上国の発展に貢献できるような仕事に就きたいと考え、ゆくゆくは現地赴任をすることも視野に入れた就職活動をしていました。
就職活動といえば、一時期「学歴フィルター」が大きな話題になりましたが、B君も学歴フィルターには頭を悩ませていました。
学歴フィルターにB君はどう向き合った?
すべての企業がそうだとはいいませんが、学歴フィルターはたしかに存在します。応募数が多くても、期間内にエントリーしてきた学生を絞り込まなければなりません。会社によっては、偏差値や学閥、採用実績のあるところなど特定の条件から学生を抽出し、そこからじっくり選ぶという方法が合理的であり、安全と考える企業が少なくないからです。
しかし、学歴フィルターがあるからといって、いざ就職活動を始めるに際して、行きたい企業にエントリーしないのは可能性がゼロになってしまうだけなので、難しいところです。
就職課としては、B君に中堅どころの企業研究もするよう伝えていました。しかし、大手商社や一流メーカーなどを中心にまわっていたB君は、ほぼ全滅に近い状態でした。