「優秀な学生がいない」とこぼす採用担当者は、学生の何を見ているのか?
終身雇用制の崩壊など、流動化していく日本社会の状況に伴い、若者が自分のキャリアへの自己決定を求められるようになっています。しかし、人生経験に乏しい若者は自身のキャリアにどのように向き合えば良いのでしょうか?
そこで今回は、20代向け転職支援サービス「いい就職ドットコム」「20代の転職相談所」などで知られるブラッシュアップ・ジャパン株式会社代表・秋庭洋さんに、現在就職活動をしている若者へ向けたアドバイスを聞きました。
中小企業と就活生とのギャップを埋めたかった
――20代向け転職支援サービスを始めたきっかけはなんですか?
秋庭洋(以下、秋庭):私は、もともとリクルートという会社で働いていて、20代のうちは特に疑問に思わず仕事をしていたんですが、30代に入って少し疑問が生まれてきて。
クライアントの経営者の方々と採用についてお話すると、やっぱり六大学出身者や、学歴の高い人をほしがるんですね。でもほんとは高校中退でも、大学中退でも優秀な人はいるはずなんです。そういう枠から外れた人たちになぜ目を向けないのかっていうのが疑問で、2001年にこの会社を始めました。
――会社を始めた当時、社会はどんな状況でしたか?
秋庭:その頃はいわゆる就職氷河期と言われた時代で、普通に大学を卒業した人でも就職できない、そんな時代でしたね。前職では仕事の合間に、よくそういう子たちの相談に乗っていたんですけど、すごくいい子たちばかりなんですよ。優秀、って意味ですね。
一方で、中小・ベンチャー企業の社長さんは「いい人がいない」って言うんですね。それで、彼らに「学歴は基準を満たしていないけど、騙されたと思って会ってみませんか?」って言いながら紹介すると、採用されたりしていましたね。
――なるほど、結局、学歴しか見ていないということですね。
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