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若手ゴルファーに「4日間競技」の機会を——第2回 G_BASE 4days Challenge Foresight Sports Tournament が開催

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数あるスポーツの中でも、ゴルフはプロになり活躍するまでの道のりが長い競技の一つだ。プロテストやQT(クォリファイングトーナメント)など、いくつもの関門を突破する必要があり、さらにツアーの出場枠も限られている。

なかでも大きな壁となるのが、「4日間72ホール」という長丁場の経験だ。ツアーを目指す上で避けて通れない形式でありながら、若手選手がそれを実戦で経験できる機会は、決して多くない。

こうした構造的な課題を解決するべく誕生したのが、次世代のツアープロを目指す選手のための大会「G_BASE 4days Challenge」だ。2026年3月11日から14日までの4日間、栃木県さくら市のセブンハンドレッドクラブにて第2回大会が開催された(※天候の影響により3日間に短縮)。

若手に不足している“長丁場”の経験

一般的に、ゴルフにて若手選手が出場できる国内大会の多くは1日から2日程度の短期競技が中心だ。

一方で、プロツアーやQT、プロテストといった主要な大会は4日間72ホールで行われることが多く、経験の薄い若手選手にとっては体力やメンタル管理など、技術面以外のケアも生じる。たとえ短期大会で結果を出している選手でも、4日間となると終盤に調子を崩してしまうことが多く、安定して実力を発揮することが難しいことが多く聞かれる。

「G_BASE 4days Challenge」ではツアーと同様に同一コースで4日間72ホールを戦う形式を採用。若手選手が実戦を通じて、プロ基準で戦えるための総合力を磨く機会を提供している。

また、若手選手にとってもう一つの障壁となる費用面への配慮もされている。一般的な公式大会では、プレーフィーをはじめとしたさまざまなコストがかかるが、本大会では、エントリーフィーのみで参加でき、プレーフィーと昼食費は大会側が負担するのも特徴的だ。

こうした設計には、「若手選手に経験を積ませたい」という大会の理念が反映されている。

54ホールの戦いを制した優勝者

天候不順により1日短縮というイレギュラーな形での開催となった今大会。男子60名、女子58名の計118名が出場。その中で優勝を果たしたのは、新垣厚樹選手(男子)と川畑優菜選手(女子)だ。

優勝賞金200万円に加え、新垣選手には、ACNツアー「住地ゴルフチャレンジトーナメント」の本選出場権、川畑選手にはJLPGAツアー「ブリヂストンレディスオープン」の主催者推薦選考会への出場権が授与された(※)。※川畑選手は出場資格要件を満たしていないため、大会規定に則り出場権は繰り下げとなり、ローアマチュアの新谷芽々選手に付与。

新垣選手は本大会について「今回が初めての出場だったんですけども、4日間ゴルフを競い合う機会は少なく、これからツアーに挑戦していく身としては、とてもよい経験になりました」と振り返り、今後の活動に対しての意欲を示した。

大会を終えて見えた成果と今後の展望

第2回大会を終え、大会を主催するG_BASE 4days Challenge実行委員会の西尾考弘委員長に、大会に開催を通じて得られた手応えについて聞いた。

──本大会を開催しようとしたきっかけは?

西尾委員長:私たちが2022年から展開するインドアゴルフ空間「G_BASE」というサービスがあるのですが、それを通じて多くの選手と関わる機会がありました。その中で、若手選手の多くから「アマチュアでは4日間大会を経験として積める場が少ない」という声や、コスト面での悩みを聞いていました。

また、ワンデーの大会で結果を出しているような実力のある選手でも、その先にある4日間大会ではなかなか結果が出せないという現状もあり、そうした状況から「どうにか経験を積める場をつくれないか?」という思いから、この大会を立ち上げました。

──本大会を通じて得られた成果や反響は?

西尾委員長:おかげ様で、参加されている選手、またはその親御さんたちから「大会をやってくださり、ありがとうございます」という声を本当に多くいただいております。それだけやはり4日間大会が切望されるものである、ということを再認識しました。

また、大会の参加選手の応募はSNSでしか行っていないのですが、前回大会の影響もあってか、今回大会では300人近くのエントリーが集まりました。男女はもちろん、下は13歳、上は40歳という幅広い年代が集まり、さまざまな交流が大会中に行われているのを目にして、別軸での大会の価値を感じましたね。

──今後、本大会はゴルフ業界において、どのような存在になっていきたいかなど、展望はありますでしょうか?

西尾委員長:「自分たちも4日間大会を開催してみよう」と思ってもらえるような“きっかけとなる大会”でありたいと考えています。

こうした取り組みが広がり、同様の大会が増えていくことで、業界全体の活性化につながっていけばうれしいですね。実際、企業が主催しようとしてもゴルフ場の協力が不可欠であり、簡単に実現できるものではありません。

だからこそ、これからもゴルフ業界の未来を担う一端として、この大会をモデルケースとして継続していきたいと思っています。

経験の空白を埋める、新たなスタンダードへ

若手にとって不足していた「長丁場の実戦経験」。その空白を埋めるこの大会は、単なる一競技にとどまらず、若手にとって“プロとして戦うための登竜門”となり得る場だということだ。

4日間大会が特別なものではなく、“当たり前の選択肢”になる未来へ。その起点として、この取り組みは静かに存在感を強めている。

文・土田洋祐
写真・土田洋祐、G_BASE 4days Challenge実行委員会

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