「インフルエンサーだから」と超えこひいき!挙句の果てには店員扱いされた男性の話
なぜかアルバイトが定着しない
彼女も「オープンで気さくなオーナーさんだね」と好意的だったため、店に通う回数も増加。ただ、感じのいいスタッフが入ってもすぐに辞めることは気にかかっていました。そして、スタッフが辞めるたびにランチタイムはごった返します。
「スタッフの人がいるときでも店内は忙しそうな感じだったので、彼女とは『やっぱり店が忙しいと、なかなかアルバイトの人も定着しないのかもね』と心配していました。その原因が、まさかあのオーナーにあったかもしれないと気づいたのは数か月後のことです」
その日店内にお客さんはゼロ
しばらく康太さんが激務に追われていて、デートに遅刻してしまった日。「早くいかないとランチタイムが終わっちゃう」と彼女に急かされ、急いで古民家風カフェへ行った日のことです。その日は珍しく、店内にお客さんはゼロでした。
「今日はもう終わりですか?と声をかけると、『今日はお客さんが少ないだけ。営業中。入って、入って。大丈夫だから。いらっしゃい』と迎えてくれたので、入店。オーナーはとにかくご機嫌で、料理の提供時には『これからインフルエンサーが来る』と言うのです」
ランチを食べながら彼女と「すごいね、やっぱり人気のお店なんだね」と話していると、しばらくして20代ぐらいの女性1名が来店。オーナーは、「いらっしゃいませ~!」と上機嫌で店内出入口まで小走りに近づき、丁寧にテーブルまで案内します。
インフルエンサーにPRしまくるオーナー
「そこまではよかったのですが、オーナーは店や料理のことをPRしながら、インフルエンサーが『それ、食べてみたいです』というと、すぐ厨房にいる料理人に注文するんです。料理ができると呼ばれてカウンターまで取りに行き、またインフルエンサーと話す、の繰り返し」
とにかく落ち着かない。「食べてみて」と料理を勧めるのに、メニュー表を見せながら「これはね~」と、とにかくPRしまくるオーナーに、インフルエンサーも少し困った様子だったとか。そのうち、料理ができたと厨房から声がかかっても取りに行かなくなりました。
「声がかかるとチラリと厨房のほうを見るので、聞こえてはいるのです。でも、おしゃべりに夢中で、料理を取りに行く様子がない。料理人の方も何度も呼んでいたので、見かねて『…呼んでいますよ』と声をかけたのです」