「地獄です」帰宅途中に受けたLINEのせいで人生を棒に振った男の話
彼が自宅に帰るとそこには…
蓮斗さんが自宅のマンションに戻ってきたのは夜の11時前でした。エレベーターを降り、部屋の前までくると、見慣れない紙袋が掛けてありました。
「女性向けファッションブランドのショップバッグが扉のドアノブに掛かっていたんです。しかもそれは、半年前に別れた俺の元カノが好きなブランドでした」
なんだろうと不思議に思って、中身を見てみると、封筒とケーキが入っていました。実はこの日は蓮斗さんの29回目の誕生日でした。ケーキは置き配などではなく、蓮斗さんの元彼女からの贈り物でした。
中華料理店を辞め、生鮮スーパーに転職した当時、仕事を優先して彼女のことを疎かにしてしまい、別々の道を歩むことになったそうです。
手紙には、彼の誕生日を祝うメッセージと、今日の深夜の便でロンドンに語学留学するということが書かれていました。
「旅立ちの前に、面と向かってもう一度、話がしたかったそうです。ギリギリまで俺と会うのを迷っていて、前もって連絡ができなくてごめんね、とそう書かれていました」
蓮斗さんは急いでLINEにメッセージを送りましたが、既読がつくことはありませんでした。今でも、もし、ケーキを受け取っていれば…、職場からのLINEを無視して家に帰っていれば…と悔やんでいるそうです。
どうにもならないすれ違いというのは時として起こってしまうものです。人生はそんな後悔の連続なのかもしれません。
<文/ベルクちゃん>