母親に「殺してほしい」…2年目で売上3.5億円を達成した歌舞伎町ホストの“波瀾の人生”
空前のホストバブルといわれている昨今、数多のホストクラブが軒を連ねる新宿歌舞伎町を中心に全国には年間1億円以上を売り上げるホストが数多いる。
歌舞伎町にあるホストクラブ「MILDROUS」の代表を務める五十嵐俊さん(29歳、@igashun0520)は、そんな精鋭たちの中でも一際目を引く「年間売上3億5000万円」という数字を叩き出した。1人で3億円以上を売り上げる男はどんな道のりを歩んで来たのか。今の彼を語るうえで、波乱に満ちた生い立ちから目を背けるわけにはいかないだろう。
母親に「殺してほしい」と頼まれ…
五十嵐さんは複雑な家庭で育った。母親がアルコール依存症で苦しみ、毎日のように「殺してほしい」と言われていたのだ。
「今思うと、女手ひとつで子供2人を育てるのがしんどかったんでしょうね」と五十嵐さんは当時を振り返るが、そんなある日、とうとう精神的に参ってしまい、本気で母親を手にかけることを考えたという。
「子供ながらに、『お母さんがこんなに辛そうにしているのなら、いっそ楽にしてあげたい』と思って兄に相談したところ、本気で止められました。あの時、兄がいなければ取り返しのつかない事態になっていてもおかしくありません」
和彫りを入れるため働くことに
家庭の事情もあってか、少年時代からお金を稼ぐことに人一倍興味をもっていた。初めて職に就いたのは14歳の時。今も背中で圧倒的な存在感を放つ、和彫を入れるためだ。
「彫師さんとの待ち合わせ場所までの電車賃が往復で4000円程のところだったんです。中学生にとって4000円はなかなかの大金。用意するために、兄の身分証を借りて居酒屋で働き始めました」
その当時から現在までの約15年間で、無職の期間はたったの2か月間だという。
「無職期間は意図的につくりました。1度体験してみたかったんですよね。ただ、僕にとって限りなく退屈な時間でした……。そこで『自分は根っからの仕事人間なんだ』と感じるようになりました」