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老舗餃子チェーン「ぎょうざの満洲」代表が明かす「3割うまい!!」に込めた信念

暮らし

工場は朝3時から動き出す

ぎょうざの満洲

味を支える工場のスープ釜。川越工場では圧力釜を導入、2倍の濃度で鶏スープの抽出が可能に

――各工場の役割は異なるのですね。

池野谷:そうですね。メインメニューの生餃子は製造日が消費期限としていますので、東日本と西日本のそれぞれに工場を作りました。配送は1日1回以上で、餃子は朝の3時に製造を始め、1番早い便で朝の8時には店舗へ配送します。毎日、工場で作っていますから基本的に余分な在庫はありません。一部、品切れを防ぐための冷凍餃子はありますが、そちらの賞味期限は冷凍で製造日から14日でいずれも鮮度はいいです。

――第1号店「満洲里」の創業から60年近く。企業としての転換期はありましたか?

池野谷:埼玉県坂戸市で餃子と麺の工場を竣工(2005年6月)したのは転機でした。食品を大量に冷却できる大きなフリーザーを導入しています。その後、大阪府吹田市に西日本の拠点となる餃子と麺の工場を竣工(2015年8月)し、コロナ禍以前に、スープやタレ、焼豚などを製造する埼玉県川越市の工場を竣工(2019年1月)しました。

テイクアウト専用商品は「絶対にやらない」

――看板商品の餃子はさっぱりした味わいの印象もあるのですが、製造段階でのこだわりは?

池野谷:餡を包む直前に作った皮で包んでいます。水分量の多いデリケートでやわらかい皮ですので、事前に作り置きすると皮同士がくっついてしまうんです。餃子は皮の食感も味の要です。じつは、皮も手作りすれば家庭でもおいしい餃子を食べられます。また、餡に使用する豚肉にもこだわっています。さっぱりした味わいですので「野菜が多い」と思われがちですが、具材の半分は豚肉です。国産で脂身が少なく、赤身の比率が高いひき肉を使っています。

――店舗では、工場直売のテイクアウト商品「お土産商品」も充実していますね。

池野谷:お店で調理する食材と同じものを提供しています。社内ではたびたび、お土産商品のコーナーを充実させるため「テイクアウト専用商品を作ってはどうか?」と意見も出てくるのですが、絶対にやらないことにしています。主な理由は、食品ロスを減らすためです。工場で製造している食材は、店舗でおいしく食べていただくのを第一に作っているので、その中から、お土産商品にも適したものを販売しています。

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