『愛の不時着』ってほんと?日本人のイメージって?脱北者が語る本音
お金はなくてもお母さんになりたい
――最後にこれからの目標などがあったらお伺いしたいです。
キム:そうですね、これからは私のためだけに生きないで、幸せと感謝の心を忘れずに社会に奉仕して生きて行きたいです。そしてせっかく生かされたのですから、人の役にたつ人間になろうと思っています。本当にいいことをたくさんしたいんです。
でも、もう年なので余力がね……。余力があったら一番にしたいことは、道端にいる野良猫に生涯住む家を与えてあげることです。お母さんになってあげたいんです、猫のね。
――猫のお母さんですか?
キム:猫のお母さんというのは去勢手術して、病気の子とかは病院に連れて行ってあげて、最終的には里親もみつけてあげたいっていう意味です。
できるなら全部面倒みてあげたいけど、それができないから……。猫のお母さんになって、野良猫たちが安心して住める環境を整えてあげたいんです。今はそれが夢であり目標です。それを目指して頑張って生きていくつもりです。
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命からがら脱北したキムさん。彼女の表情はとても穏やかで明るかった。「55歳の今が楽しい」というキムさんの人生は、きっと韓流ドラマより波乱万丈で色濃くドラマティックなのかもしれない。
<取材・文/木村義孝>