携帯ショップに大淘汰が到来。「大手家電量販店」が買収で見出した活路
携帯電話販売で業界2位のコネクシオが、家電量販店のノジマに買収される見込みです。ノジマは1月13日にコネクシオの株式の公開買付を発表。2022年12月21日の株価1190円に対して60.59%となるプレミアムをのせた1911円での買い付けを行います。
コネクシオの親会社で60.34%の株式を保有する伊藤忠商事はTOBに賛同しています。ノジマは買付予定数の上限を設けておらず、完全子会社化を計画しています。伊藤忠は業績が伸び悩むコネクシオを見限ったように見えます。斜陽産業と化した携帯電話販売にノジマは商機を見出せるのでしょうか?
携帯電話の技術革新が販売台数の落ち込み要因に
コネクシオは、伊藤忠が100%出資して立ち上げたアイ・ティー・シーネットワークが前身。伊藤忠の通信ネットワーク事業部の業務委託会社として設立されました。2002年にNTTドコモの一次代理店の地位を伊藤忠から承継。全国へと販売網を広げて業績を拡大します。
2006年3月に東証二部に上場。2012年にパナソニックテレコムと合併すると、翌年コネクシオに社名変更し、携帯電話やスマートフォンの普及に一役買いました。ただ、技術革新とともに、フィーチャーフォンやスマートフォンの故障は少なくなり、バッテリーも長期間に渡って使えるようになりました。また、端末の価格も高騰していることから、利用者の保有期間は年々長くなっています。
販売台数は3年前から3割減少
また、携帯電話各社はオンライン限定の格安プランの打ち出しを行うようになっています。そのため、販売店の販売台数は減少傾向にありました。そこに新型コロナウイルス感染拡大が襲い掛かり、実店舗への依存度が高いコネクシオは大打撃を受けます。
コネクシオの2022年3月期の販売台数は180万9000台。2019年3月期は251万6000台でした。実に3割も減少しています。